血清コルチゾルは中等度の市中肺炎の予後予測因子である

強いストレスや感染症、敗血症で血清コルチゾルは上昇する。
                N Engl J Med 2003; 348: 727–734.
                J Clin Endocrinol Metab 2006; 91: 3725–3745.

また、コルチゾル濃度が高い肺炎患者の予後が不良であることもすでに知られている。
                CHEST 2008; 134:947-954

ERJからの論文。
さほど目新しい内容ではないが、肺炎のくくりが”moderate”となっている。

Adrenal function is related to prognosis in moderate community-acquired pneumonia
Eur Respir J 2010; 36: 615–621


背景:
 このスタディの目的はコシントロピン(コートロシン)刺激試験を含む
 副腎皮質機能試験をおこない、中等度の市中肺炎(CAP)の
 予後を評価することである。

患者:
 連続59人の入院した成人のCAP患者を登録した。
 コシントロピン刺激試験に加えて、血清CRP、プロカルシトニン、IL-5、TNF-α、
 ACTH、コルチゾル、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、
 デヒドロエピアンドロステロン硫酸エステル(DHEAS)が測定された。
 アウトカムは72時間後の臨床的安定性、死亡率、ICU入室と死亡率の混合とした。

結果:
 Critical illness-related corticosteroid insufficiency (CIRCI)は
 6人の患者(10.3%)に認められた。コルチゾル、年齢関連DHEA、
 ACTH、DHEA/DHEAS比は72時間後に安定していない患者において
 上昇していた。多変量解析においてコルチゾル (p=0.03)、ACTH (p=0.04)、
 pneumonia severity index (PSI)スコア (p=0.005)は72時間後の
 臨床的安定性の独立予測因子であった。コルチゾルのみが死亡率(p=0.04)、
 ICU入室あるいは死亡率(p=0.006)をよく予測した。血清コルチゾルが
 734 nmol/L以上で死亡率上昇がよく認められた(OR38.3; p=0.002)。
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結論:
 中等度CAPにおいてCIRCIはまれである。
 副腎皮質機能はCAPの予後とよく相関した。
 血清コルチゾル濃度の診断精度はPSIスコアと同等であった。
 血清コルチゾルはより大きなスタディにおいて予測因子として検討されるべきである。

by otowelt | 2010-09-02 23:14 | 感染症全般

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