早期の抗菌薬併用療法は敗血症性ショックの患者の死亡率を減少させる

Crit Care Medからの敗血症に関する長い論文で、あまり読めていないが…。

患者背景を調整したスタディで"propensity-matched"という
統計学的用語が出てくるが、正直よく理解していない。

Early combination antibiotic therapy yields improved survival compared
with monotherapy in septic shock: A propensity-matched analysis
Crit Care Med 2010; 38:1773–1785


背景:
 敗血症性ショックは、ICUにおいて感染による死亡の主原因である。
 敗血症性ショックの治療に抗菌薬を2剤併用でを加えることは
 アウトカムを改善できるかどうかは議論の余地がある。
 現在のガイドラインでは、カバーを広げるような耐性菌を相手にしない
 限りは、抗菌薬2剤併用は推奨されていない。

目的:
 敗血症性ショックに陥った患者において、感受性のある抗菌薬を
 早期に2剤併用でおこなうことが利益をもたらすか否かを評価する。

デザイン:
 retrospective, propensity matched, multicenter, cohort study

セッティング:
 1996年から2007年までの教育あるいは市中病院のICU 

結果:
 4662人の血液培養陽性の敗血症性ショックの患者が登録された。
 対象症例の患者背景を調整し、1223人ずつを抗菌薬2剤併用と
 単剤使用で分けて検証した。プライマリエンドポイントは28日死亡率とした。
 結果、併用抗菌薬治療は28日死亡率を減少させた。
 (444[36.3%] vs. 355[29.0%];HR0.77; 95%CI 0.67–0.88; p=.0002)
 抗菌薬併用は、グラム陽性とグラム陰性菌療法に利益があったが、
 βラクタムにアミノグリコシド、フルオロキノロン、あるいは
 マクロライド/クリンダマイシンを併用した例に限られた。
 抗菌薬併用治療は、ICU死亡率を減少させた。
 (437[35.7%] vs. 352[28.8%]; OR 0.75; 95%CI 0.63–0.92; p=.0006)
 また、院内死亡率も減少させた。
 (584[47.8%] vs. 457[37.4%]; OR 0.69; 95%CI0.59–0.81; p< .0001)
 しかし、抗菌薬併用は、人工呼吸器使用および血管作動薬使用を増加させた。
 (p=.008、p=.007)
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結論:
 早期の抗菌薬併用療法は敗血症性ショックの患者の死亡率を減少させる。
 プロスペクティブランダム化試験が必要である。

by otowelt | 2010-09-03 12:08 | 集中治療

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