敗血症関連ARDSは、非敗血症関連ARDSに比べて死亡率が高い

敗血症によるARDSと非敗血症によるARDSを比べたCHESTの論文。
死亡率に差が出ている。
考察では、敗血症患者におけるプロテインC濃度の減少やサイトカインの上昇が
その原因ではないかと述べられている。
Crit Care Med 2007;35:1821-28.、Crit Care Med 2005;33:1-6.

Clinical Characteristics and Outcomes of Sepsis-Related vs Non-Sepsis-Related ARDS
CHEST 2010; 138(3):559–567


背景:
 ARDSは敗血症あるいは非敗血症においても起こりうる肺傷害である。
 敗血症はARDSの主要な原因であるが、非敗血症のそれとの違いについては
 あまりよくわかっていない。

方法:
 2786人のARDS前段階の患者を連続登録し、プロスペクティブコホートに検証。
 736人がARDSに陥った。われわれは、敗血症にともなってARDSを発症したものを
 敗血症関連ARDSと定義し、それ以外のARDSを非敗血症関連ARDSと定義した。
 それらは外傷や誤嚥、複数の輸液に関連するものも含めている。
 敗血症と非敗血症のいずれのリスクもあわせもつ患者は除外した。

結果:
 非敗血症関連ARDS(n=62)の患者と比べると、敗血症関連ARDS(n=524)は
 女性に多い、糖尿病を有しているという傾向にあり、手術を受けていない傾向にあった。
 また、敗血症関連ARDSはICU入室前日数が長く、APCHEIIIスコアが有意に高かった。
 (APACHEIIIスコア:median, 78 vs 65, P< .0001)
 lung injury score、血液ガスpH、PF比、ARDS診断時のPaO2には差がみられなかった。
 しかしながら敗血症関連ARDSはday3、day7、day14において有意に
 PF比が少なかった。( P=.018、P=.004、P= .004)
 また、60日死亡率も敗血症関連ARDSの方が高く(38.2% vs 22.6%; P=.016)、
 抜管成功率も低く(53.6% vs 72.6%; P=.005)、非ICU在院日数も少なく
 ( P=.0001)、人工呼吸器離脱期間も少なかった( P=.003)。
 多変量解析において、APACHE IIIスコア、肝硬変、転移性癌、
 入院時の血清ビリルビンと血糖、活性化プロテインCによる治療は
 ARDSによる60日死亡率と相関していた。
 しかし、補正によると、敗血症関連ARDSは60日死亡率を上昇させる
 独立因子ではなかった(HR, 1.26; 95% CI, 0.71-2.22)。
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結論:
 非敗血症関連ARDSと比較すると、敗血症関連ARDSは
 総じて疾患重症度が高く、lung injuryからの回復が悪く、
 抜管の成功率が低く、死亡率が高かった。

by otowelt | 2010-09-08 16:22 | 集中治療

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