肺癌診断時の喫煙歴の有無は、術後生存率に大きな影響を与えない

喫煙歴によって解析した、NSCLC術後の生存率の論文。
ほとんど差は出ていない。

過去に同様のDiscussionがなされた論文(下記)があったが、
解析の欠点を筆者は指摘している。
Epidemiology of bronchioloalveolar carcinoma: improvement in survival after release of the 1999 WHO classifi cation of lung tumors . J Clin Oncol . 2005 ; 23 ( 33 ): 8396 - 8405 .

以下今回のCHESTの論文。

Long-term Survival Outcomes by Smoking Status in Surgical and Nonsurgical Patients With Non-small Cell Lung Cancer Comparing Never Smokers and Current Smokers.
CHEST September 2010 vol. 138 no. 3 500-509


背景:
 非喫煙者のNSCLCにおける手術後の生存率についての記載は少ない。
 この研究は、非喫煙者と現喫煙者における手術アウトカムを比較したものである。

方法:
 この研究は1975年から2004年までの間非喫煙者と現喫煙者をレトロスペクティブに
 単施設で検証したものである。4546人のNSCLC患者のうち、724人が非喫煙者、
 3822人が現喫煙者であった。1142人が根治目的に外科手術を施行された。
 喫煙歴によって生存率を解析し、Cox比例ハザードモデルを使用。

結果:
 非喫煙者は現喫煙者よりも、女性、高齢者、腺癌、BACが多かった(全てP< .01)。
 病期に関しては両群とも差がみられなかった。
 NSCLCで手術を受けた患者において、死亡率上昇と関連する強いリスクとなったのは
 進行期(調整HR, 3.43; 95% CI, 2.32-5.07; P < .01)、ASA分類で高値
 (調整HR, 2.18; 95% CI, 1.40-3.40; P < .01)であった。
 単変量解析において、現喫煙者ではやや死亡リスクを上昇させる傾向にあった。
 (HR1.20; 95% CI, 0.98-1.46; P = .07)

結論:
 われわれの研究では、肺癌診断時の喫煙歴の有無は
 外科手術後の長期的な生存に関して、かなり少ない程度しか
 寄与しないことがわかった。

by otowelt | 2010-09-09 12:13 | 肺癌・その他腫瘍

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