ICU入室時の高乳酸血症患者の、乳酸レベルをモニタリングした治療は死亡率を下げる

両群とも、治療後の乳酸レベルの値が変わっていないのに、
死亡率に差が出たというのにハテナマーク。
この論文では3.0mEq/L以上を高乳酸血症と定義している。

Early Lactate-Guided Therapy in Intensive Care Unit Patients. A Multicenter, Open-Label, Randomized Controlled Trial
Am J Respir Crit Care Med Vol 182. pp 752–761, 2010


背景:
 乳酸モニタリングが重症患者初期治療においてアウトカムを改善するかどうか
 まだわかっていない。

目的:
 乳酸値が3.0mEq/Lの患者において、 
 乳酸モニタリングを行うことでICU患者の乳酸レベルを下げることが
 できるかどうかを検証する。

方法:
 患者は2群にランダムに割りつけられた。
 乳酸群では、乳酸レベルに応じて治療がおこなわれる。
 ICU入室最初の8時間において、2時間で20%以上の乳酸値減少を
 達成する。コントロール群では、乳酸値が知らされずに治療がおこなわれる。
 プライマリアウトカムは院内死亡率である。

結果:
 乳酸群において、より輸液療法と血管拡張薬が使用された。
 しかしながら、乳酸値に関しては両群ともに有意差はみられなかった。
 ITTポピュレーション348人において、院内死亡率は
 コントロール群43.5% (77/177)に対し、乳酸群33.9% (58/171)
 であった(P=0.067)。リスクファクターにおいて補正すると、院内
 死亡率は乳酸群で有意に低かった(HR0.61; 95%CI 0.43–0.87; P=0.006)。
 乳酸群において、SOFAスコアは治療9~72時間で低く、
 昇圧剤使用も早期に中止可能で、人工呼吸器離脱および
 ICU退室も早かった。

結論:
 ICU入室時の高乳酸血症の患者において、乳酸レベルをモニタリングした
 治療は、リスクファクターで調整した場合有意に院内死亡率を下げる。
 

by otowelt | 2010-09-12 09:38 | 集中治療

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