HAART時代のHIV感染患者における呼吸機能検査異常

Pulmonary Function Abnormalities in HIV-Infected Patients during the Current Antiretroviral Therapy Era
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 182: 790-796


背景:
 多剤併用抗ウイルス療法が始まる前は、HIV患者において
 気道症状や呼吸機能検査異常はよくみられていた。
 しかし、HAARTが発達した現段階における同項目については
 よくわかっていない。加えて、こういった異常は
 軽視されている傾向にある。

目的:
 われわれの目的は、HIV患者における気道症状や呼吸機能検査異常や
 関連するリスクファクターを同定することである。

方法:
 168人のHIV患者において呼吸機能検査をおこなった横断的研究である。

結果:
 気道症状は47.3%の患者においてみられた。また
 静脈内麻薬を使用している患者に関連性がみられた
 (OR 3.64; 95% CI 1.32–10.046; P = 0.01)。
 15%の患者が過去に呼吸器の検査を受けていた。
 呼吸機能検査異常は64.1%の患者において拡散能異常がみられ、
 21%に不可逆性の閉塞性異常がみられた。拡散能異常は
 既喫煙(OR 2.46; 95% CI, 1.16–5.21; P = 0.02)、ニューモシスティス
 肺炎予防と関連していた(OR 2.94; 95% CI, 1.10–7.86; P = 0.01)。
 不可逆性の閉塞性異常は喫煙のpack-years
 (OR 1.03 per pack-year; 95% CI, 1.01–1.05; P < 0.01)、および
 静脈内麻薬使用(OR 2.87; 95% CI, 1.15–7.09; P = 0.02)、
 抗ウイルス治療(OR 6.22; 95% CI, 1.19–32.43; P = 0.03)と関連。

結論:
 気道症状および呼吸機能検査異常は、現段階においてもHIV感染者では
 よくみられるものである。喫煙および静脈内麻薬使用は
 呼吸機能検査異常の重要な危険因子である。しかし、抗ウイルス治療も
 不可逆性の閉塞性病変のリスクに関連しているかもしれない。
 HIV感染患者において、閉塞性病変は軽視されがちである。

by otowelt | 2010-09-13 05:58 | 呼吸器その他

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