重症ARDSにおいて、早期の神経筋ブロック薬は90日死亡率を改善

最新のNEJMより。
自発呼吸温存の呼吸管理が望まれる時代になるかと思ったのに、
こういった論文が出ると何がなんだか。
CPA後なんかで低体温療法でシバリングを防ぎたい場合なんかでは
筋弛緩薬を用いてもいいと思うが。
こういうときは、エビデンスの集積を待とう。
・Clinical practice guidelines for the sustained use of sedatives and analgesics in the critically ill adult. Crit Care Med. 2002 ; 30: 119-41.
・Clinical practice guidelines for sustained neuromuscular blockade in the adult critically ill patient. Crit Care Med. 2002 ; 30: 142-56


以下今回の論文。

Neuromuscular Blockers in Early Acute Respiratory Distress Syndrome
N Engl J Med 2010; 363:1107-1116


背景:
 ARDSにより人工呼吸管理を受けている患者において神経筋ブロック薬は
 は酸素化を改善し、VILIを減少させるかもしれない。しかし、呼吸筋委縮を
 きたすおそれがある。われわれは、2日間の神経筋ブロックを用いて早期ARDS
 に対する同薬の効果について検証した。

方法:
 この多施設共同二重盲検試験は、重症ARDSの340人の患者において
 早期48時間にcisatracurium besylateを用いる群(178人)と
 プラセボ群(162人)にランダムに割りつけられた。
 重症ARDSとはP/F比が150未満と定義された(PEEPは5cmH2O以上、
 TVは6~8ml/kg)。プライマリアウトカムは退院前死亡率および
 90日院内死亡率とした。

結果:
 cisatracurium群では90日死亡のHRはプラセボと比べると
 0.68 (95%CI 0.48 to 0.98; P=0.04)であった。
 (P/F、APACHEIIなどで調整後)
 90日死亡率は、cisatracurium群31.6% (95% CI, 25.2 to 38.8)、
 プラセボ群40.7% (95% CI, 33.5 to 48.4)であった(P=0.08)。
 28日死亡率はそれぞれ23.7% (95% CI, 18.1 to 30.5)、
 33.3% (95% CI, 26.5 to 40.9)であった(P=0.05)。
 ICU関連麻痺は2群で差がみられなかった。

結論:
 重症ARDSにおいて、早期の神経筋ブロック薬は90日死亡率を改善させる。

by otowelt | 2010-09-16 11:23 | 集中治療

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