気腫肺に対する気管支バルブ療法は、肺機能等を改善するものの合併症が増える

COPDにおける"volume reduction"の治療概念を
EWSでランダム化した論文であり、これも呼吸器内科必読の論文である。

A Randomized Study of Endobronchial Valves for Advanced Emphysema
N Engl J Med 2010; 363:1233-1244


背景:
 空気を流出させるが流入はさせない気管支バルブを、進行COPDによる過膨張の
 患者に留置することで、肺葉容積を減少させ、肺機能や運動耐容能が
 改善する可能性があるとされている。

方法:
 COPD患者を対象に、気管支バルブ療法と標準的内科治療を比較して
 安全性と有効性を検証した。エンドポイントは、ITT解析による一秒量と
 6分間歩行距離の%変化。6の主要な合併症の複合発生率に基づいて、安全性を
 検証した。

結果:
 321例中220例を気管支バルブ群、101例を標準的内科治療群にランダムに割付。
 6ヵ月時の一秒量は、バルブ群で4.3%(予測値の1.0%ポイント)上昇したのに
 対し、標準群では 2.5%(予測値の0.9%ポイント)低下。
 一秒量の平均群間差は6.8%(P=0.005)。6 分間歩行距離における群間差も同様。
 12ヵ月時の合併症複合発生率はバルブ群で10.3%、標準群で4.6%(P=0.17)。
 90日時で、バルブ群では標準群と比較して入院を要するCOPD増悪
 (7.9% VS 1.1%、P=0.03)、喀血(6.1% VS 0%,P=0.01)発生率が高かった。
 12ヵ月時のバルブ群の標的肺葉肺炎発生率は4.2%。

結論:
 進行した不均一(heterogeneous)肺気腫に対する気管支バルブ療法は
 肺機能、運動耐容能、症状に改善をもたらす一方、留置後のCOPD増悪、肺炎、
 喀血の合併症の頻度が増加した。

by otowelt | 2010-09-24 08:50 | 気管支喘息・COPD

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