北京型結核菌は治療失敗とは直接的に関連していない

東アジアで分離される結核菌の多くが特徴的な遺伝子型を示すため、
これを私たちは北京型と呼んでいる。
        J Clin Microbiol. 1995;33:3234-8.

北京型株は、他のジェノタイプと比べて以下のような特徴がある。
・感染伝播力が優れている
薬剤耐性と関連性が高い
・発病・再発を引き起こしやすい
・BCG接種による免疫の影響を受けにくい
        Trends Microbiol.2002;10:45-52.

The Mycobacterium tuberculosis Beijing Genotype Does Not Affect Tuberculosis Treatment Failure in Vietnam
Clinical Infectious Diseases 2010;51:879–886


背景:
 Mycobacterium tuberculosis Beijing genotype(北京型)は、
 臨床的に重症型であり、治療失敗も多い。
 これは薬剤耐性が関与しているものと思われる。
 われわれは、薬剤耐性が北京型と強く関連していると
 思われるベトナムにおいて、ジェノタイプが治療失敗に影響を与えるのか
 どうかを検討した。

方法:
 population‐based prospective cohort study。
 塗沫陽性の結核患者は治療前後で薬剤感受性を検査。
 培養ごとに治療失敗率を調査した。

結果:
 1106人の患者が登録。
 33人が治療失敗を経験した(3.0%; 95%CI, 2.1%–4.1%)。
 380人の北京型感染のうち、失敗率は5.3%(95% CI, 0.3%–7.9%)。
 MDRTBは失敗と強く関連していた(OR 114; 95% CI, 30–430)。
 MDRによる調整後、北京型のみでは治療失敗とは関連していなかった
 (adjusted OR, 0.7; 95% CI, 0.3–2.0)。

結論:
 北京型結核菌は治療失敗とは直接的に関連がなかった。
 

by otowelt | 2010-09-25 09:48 | 抗酸菌感染症

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