ICU入室が遅れると肺炎の予後は不良

この論文に出てくるIDSA/ATSの市中肺炎の重症判断基準は以下の通りである。
実は日本ではあまり有名ではない。

●IDSA / ATS Criteria for ICU Admission for CAP
・Major Criteria (1 or more = ICU admit)
 Endotracheal intubation and mechanical ventilation
 Shock requiring vasopressors

・Minor Criteria (3 or more = ICU admit)
 Respiratory rate > or = 30 min-1
 PaO2-to-FiO2 ratio < or = 250
 Multilobar infiltrates
 Confusion or delirium
 Blood urea nitrogen (BUN) > or = 20 mg/dL
 Leukopenia (WBC count < 4000 cells/mm3)
 Thrombocytopenia (platelet count < 100,000 cells/mm3) 
 Hypothermia (core temperature < 36℃) 
 Hypotension requiring aggressive fluid resuscitation


The impact of a delay in intensive care unit admission for community-acquired pneumonia
Eur Respir J 2010; 36: 826–833


背景:
 このスタディの目的は、重症市中肺炎のICU入室が遅れることによる
 死亡率への影響を調べたものである。
 副次的な目的は、この遅れが救急による治療選択や一般病棟での悪化に
 関連するかどうかを評価、またはIDSA/ATSマイナークライテリアの
 予後推定能を検証するものである。

方法:
 われわれは、レトロスペクティブに救急部からICUへストレートに
 入室した患者554人、救急部から一般病棟にICU入室前に経由した549人を
 2.5年観察した。
 
結果:
 救急部において、人工呼吸あるいは血管作動薬を必要とした患者を除外するよう
 調整しても、ICU入室の遅れは院内死亡率の独立予測因子であった。
 (OR 9.61)
 遅れた群は、ボーラス輸液を救急部で受けにくい傾向にあり、
 一般病棟で早期に悪化する傾向にあった。
 3つ以上のIDSA/ATSマイナークライテリアを満たしたものは、
 遅れたグループにおいて、院内死亡率上昇と関連していた。
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結論:
 IDSA/ATSマイナークライテリアを用いた判断した重症CAPは
 早期に認識されるべきであり、救急部での積極的マネジメントと
 直接ICU入室をすることで予後が改善する可能性がある。

by otowelt | 2010-10-03 19:43 | 集中治療

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