V. vulnificus感染患者のICU死亡率は40%、24時間以内の外科的処置は予後良好因子

Vibrio vulnificus感染症は、よく研修医に
「肝硬変の人が海で滑って壊死性筋膜炎になったときの原因菌は?」
というお決まりの質問があるくらいに有名な感染症であるが、
きわめて稀であるため、症例を蓄積したスタディは少ない。
10年におよぶレトロスペクティブスタディで85症例を集めたスタディが
Crit Care Medに掲載されていた。

Clinical outcomes and prognostic factors for patients with Vibrio vulnificus infections requiring intensive care: A 10-yr retrospective study.
Crit Care Med 2010; 38:1984 –1990


目的:
 Vibrio vulnificus感染症は、まれであるが致死的な感染症である。
 このスタディの目的は、臨床アウトカムの評価と予後因子を
 ICUに入室したV. vulnificus感染症の患者において調べることである。

デザイン:
 レトロスペクティブスタディ

患者:
 V. vulnificusに感染した85人の18歳より上の患者で、
 ICU入室を要した患者を登録。この患者らを10年間にわたり追跡調査。

結果:
 85人中34人が死亡。ICU死亡率は40%にのぼった。平均入室時
 APACHEIIスコアは18.4(95%CI 17.1–19.8)であった。最もよくみられた
 基礎疾患は肝疾患で48%にみられた。次いで、糖尿病(22%)であった。
 多変量解析によれば、ICU死亡率のリスクファクターは
 出血性水疱性皮膚病変/壊死性蜂窩織炎(相対リスク2.4;95%CI 1.3–4.5;
 p=.006)、皮膚/軟部組織感染が2つ以上の四肢にみられること(相対リスク
 2.5; 95%CI1.1–5.7; p=.025)、APACHEIIスコア高値(相対リスク1.2;
 95%CI1.1–1.3; p=.0001)であった。一方、外科手術を到着24時間以内
 におこなわれた症例ではICU死亡率が低かった(相対リスク 0.35; 95%CI
 0.15–0.79; p=.012)。加えて、APACHEIIスコアがICU死亡率を予測する上で、
 ROC曲線下面積は0.945 (95%CI 0.873–0.983; p=.0001)であり、
 APACHEIIスコアの適切なカットオフ値は20より上であった。この際の
 感度97%、特異度86%で41.4倍の致死リスク上昇をもたらした(p=.0003).
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結論:
 V. vulnificus感染患者において出血性水疱性皮膚病変/壊死性
 蜂窩織炎、皮膚/軟部組織感染が2より多い四肢にみられること、
 APACHEIIスコア高値はICU死亡率を上昇させる。しかしながら、入院後24時間
 以内に迅速な外科的治療をおこなわれた患者は予後良好である。

by otowelt | 2010-10-12 23:19 | 集中治療

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