進行NSCLCにおけるダサチニブが有用である可能性

ダサチニブは、イマチニブ治療不成功後のBCR-ABL陽性CMLと
フィラデルフィア染色体陽性ALLの治療に承認されている薬剤である。
血液内科のDrにとっては有名な薬剤だが、
呼吸器内科医にとっては、胸水貯留でコンサルトを受けるくらいしか
お目にかかれない抗癌剤である。

過去記事:ダサチニブ胸水レビュー

今回JCOから、NSCLCへのダサチニブについての報告。

Phase II Study of Dasatinib in Patients With Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer
JCO October 20, 2010 vol. 28 no. 30 4609-4615


目的:
 Srcファミリーキナーゼ(SFKs)は、癌発育を促進し
 NSCLCでよく発現するとされているが、SFK阻害をおこなうことの
 臨床的効果についてはよくわかっていない。
 われわれは、第II相試験としてSFK阻害薬であるダサチニブを進行NSCLCに用いた。

患者および方法:
 ダサチニブをファーストラインとして使用した。
 効果はCTにおける腫瘍径で測定され、PETによっても評価した。
 また組織において、EGFR、K-ras、SFKを検索した。

結果:
 34人の患者が登録した。
 DCR(PR+SD)は43%であった。 1人が治療によってPRとなり、
 12人がSD、17人がPDであった。
 PFS中央値は1.36か月、OS中央値は11.4ヵ月であった。
 11人がPETによって代謝的効果が証明された。4人でSDが持続できた。
 SFK活性とEGFR,K-ras遺伝子変異はダサチニブによる効果を予測しなかった。
 有害事象としては、疲労および呼吸困難が有意であった。
 ダサチニブ治療前から胸水があった場合、治療中に有意に胸水貯留をきたした。
 (Grade2,3を合わせて全体の44%であった)
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結論:
 ダサチニブは進行NSCLCにおいて中等度の臨床的活性をもつ。
 胸水貯留、疲労、呼吸困難などの有害事象が有意に多かった。
 1人の患者でPR、4人でSDが持続できたことは、
 ダサチニブ感受性NSCLCの存在を示唆するものである。

by otowelt | 2010-10-26 10:53 | 肺癌・その他腫瘍

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