Fidaxomicin (FDX)はC.difficile関連腸炎においてバンコマイシンより有用

e0156318_1082260.jpg「内科開業医のお勉強日記」の記事で拝見した内容。
個人的に自分の情報収集が遅いのがもどかしいが、
他の先生方のブログを参考にさせていただくことも多い。
現在IDSAが開かれているが、
そこでもFDXの発表がいくつかある。

海外のブログを見ていると、感染症内科医の間ではかなり話題の薬剤のようである。
Fidaxomicinは、フィダクソマイシンと日本語表記するのだろうか??

そもそもこのFDXは、狭域スペクトラム・マクロサイクリック抗菌薬
(RNAポリメラーゼ阻害)として開発された新しい薬剤であり、
内服しても血流にはほとんど分布しないという特徴を有する。
Revill, P.; Serradell, N.; Bolos, J. (2006). "Tiacumicin B: macrolide antibiotic treatment of C. difficile-associated diarrhea". Drugs of the Future 31 (6): 494–497.

以下、今回のメインの報告。

Efficacy and Safety of Fidaxomicin (FDX) vs Vancomycin (VAN) in Clostridium Difficile Infection (CDI) in 2 Randomized Controlled Trials (RCT) with 1105 Patients

背景:
 C.difficile感染(CDI)は、治癒しやすいが再発は20~30%と多い。
 再発率を少なくすることは、CDI治療において強く望まれることである。 

方法:
 2つのRCTを用いて、1105人の患者をプロトコールに登録した。 
 1つ目のトライアルは、北アメリカでおこなわれたものであり
 2つ目のトライアルは、ヨーロッパでおこなわれたものである。
・Optimer's North American phase 3 Fidaxomicin study results presented at the 49th ICAAC, The Medical News, September 16, 2009
・Optimer Pharmaceuticals Presents Results From Fidaxomicin Phase 3 Study for the Treatment, Reuters, May 17, 2009

 登録した患者はすべて成人で、CDIの急性症状があり
 なおかつ便中トキシンが陽性である者とした。
 患者はFDX(200mg1日2回)あるいは経口バンコマイシン(125mg1日4回)
 を10日間投与する群に割りつけられた。
 プライマリエンドポイントは臨床的な治癒とした。
 セカンダリエンドポイントはCDI再発とした。
 再発は、4週間以内に再度トキシン陽性となることと定義した。
 他のセカンダリエンドポイントとして、再発なく
 臨床的に治癒すること(global cure)とした。
 結果は、per-protocolで報告。

結果:
 両方のトライアルをあわせると、治癒率はFDX91.4%、バンコマイシン90.2%で
 統計学的に有意差はなかったものの、再発率は
 FDX13.0%、バンコマイシン24.6% (P<.001)で前者が低かった。
 global cure率はFDXが78.6% 、バンコマイシン66.4%であった(P<.001)。
 027株が34%の患者で検出されたが、ヨーロッパからは7検体のみであった。
 有害事象は有意差なし。

結論:
 Fidaxomicin (FDX)はC.difficile関連腸炎に対して90%以上の治癒率を
 ほこるとともに、再発率がバンコマイシンより47%低かった。

by otowelt | 2010-10-27 06:43 | 感染症全般

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