市中肺炎において、MR-proADMなどの新しいバイオマーカーはきわめて有用な予後予測因子

肺炎のバイオマーカーとしてMR-proADMの話題。
日本語に直すと、中央領域プロアドレノメデュリンと呼ぶ。

心不全で多少知られているマーカーでもあるが、
プロカルシトニンを上回るバイオマーカーとして
感染症の世界で最近知られるようになってきたマーカーである。
・Midregional proadrenomedullin as a prognostic tool in community acquired pneumonia. Chest 2009;136:823–831.
・Proadrenomedullin to predict severity and outcome in communityacquired pneumonia. Crit Care 2006;10:R96.


以下、12月1日付のAJRCCMから。

Cardiovascular and Inflammatory Biomarkers to Predict Short- and Long-Term Survival
in Community-acquired Pneumonia
Results from the German Competence Network, CAPNETZ
Am J Respir Crit Care Med Vol 182. pp 1426–1434, 2010


背景:
 市中肺炎(CAP)に対するいくつかの新しいバイオマーカーは、
 死亡率と関連している。

目的:
 このスタディの目的は、こういった新しいバイオマーカーが
 短期あるいは長期的なCAPの死亡率を予測するかどうか比べたものである。

方法:
 728人のCAP患者 (59.0±18.2 歳) を登録。
 Midregional proadrenomedullin (MR-proADM)、
 midregional proatrial natriuretic peptide (MR-proANP)、
 proarginin-vasopressin (copeptin)、
 proendothelin-1 (CT-proET-1)、procalcitonin (PCT)、
 C-reactive protein(CRP)が測定された。
 CRP-65スコアによって肺炎の入院を決めた。
 180日間のフォローアップをおこなった。

結果:
 28、180日目のあらゆる原因による死亡率は、2.5%、5.1%で、
 生存者に比べ、MR-proADM、MR-proANP、copeptin、CT-proET-1 、
 PCTは CRB-65と同様に高かった。MR-proADMが、28日(HR 3.67) と
 180日(HR 2.84)の生存の観点から最もよい指標であった。
 MR-proADMのC index は28日目の生存で0.85。
 MR-proANPの0.81、copeptinの0.78、CT-proET-1の0.79、CRB-65の0.72
 と比較してよかった。180日目の生存も同等であった。
 MR-proADM 0.78、MR-proANP 0.74、copeptin 0.73、CT-proET-1 0.76。
 MR-proADMはCRB-65と独立して短期あるいは長期の死亡率を予測する情報を
 与える。すなわち予後予測因子としてきわめて有用である。
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結論:
 CAP死亡における短期あるいは長期の死亡率のよい予測因子として
 新しいバイオマーカーはおおむねよい結果であった。
 MR-proADMはもっともすぐれていた。
 CRB-65にMR-proADMを加えると、死亡率を予測する上では最良かもしれない。

by otowelt | 2010-12-02 06:50 | 感染症全般

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