CMVはALP経路活性化により横隔膜を委縮させる

CMVを長期におこなうケースといえば脳死だが、
脳死患者において、人工呼吸器が横隔膜を委縮させるという
データがAJRCCMから出ていた。

Mechanical Ventilation–induced Diaphragm Disuse in Humans Triggers Autophagy
Am J Respir Crit Care Med Vol 182. pp 1377–1386, 2010


背景:
 controlled mechanical ventilation (CMV) は、ヒトの横隔膜を委縮させる。
 autophagy-lysosome経路(ALP)は、筋骨格の蛋白融解に寄与するが
 人工呼吸中の横隔膜蛋白変性への関与は不明である。

目的:
 CMVにおいて、ヒトにおける横隔膜と四肢筋の自食作用(autophagy)
 経路の反応を評価する。FOXO転写因子のはたらきを明らかにする。

方法:
 筋生検が9の対照群、9の脳死患者ドナーでおこなわれた。
 前者が2~4時間のCMV、後者が15~276時間のCMVである。
 Atrogin-1, MURF1のmRNA発現測定およびUBC2, UBC4の蛋白発現、
 20Sプロテオソームのサブユニットにより
 ユビキノンプロテオソーム機構の活性が同定された。
 ALP経路活性は電子顕微鏡を用いておこなわれ、自食作用関連遺伝子の
 いくつかの発現が測定された。総カルボニル含有とHNE蛋白付加形成が
 酸化ストレス評価のために測定された。
 総AKT、リン酸化・総FOXO1、FOXO3A蛋白レベルも同様に測定された。

結果:
 CMVを長期に行うことは、ALP経路の活性化のトリガーとなりうる。
 (横隔膜自食作用および自食関連遺伝子発現)
 自食作用の誘導は、蛋白の酸化を促進し、FOXO1遺伝子発現を起こす。
 しかし、FOXO3A遺伝子はこれがみられなかった。
 またCMVは、AKT発現とFOXO1リン酸化を阻害する。

結論:
 CMVを長期に行うことは、酸化ストレスとFOXO1転写因子の誘導を
 誘発することによってALP経路の活性化を起こす。
 (すなわち横隔膜の委縮を起こす)

by otowelt | 2010-12-03 05:50 | 集中治療

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