大腸菌O157:H7、カンピロバクター急性胃腸炎により高血圧、腎障害、心血管疾患のリスク上昇

Long term risk for hypertension, renal impairment, and cardiovascular disease after gastroenteritis from drinking water contaminated with Escherichia coli O157:H7: a prospective cohort study.
BMJ. 2010 Nov 17;341:c6020. doi: 10.1136/bmj.c6020.


背景:
 大腸菌O157:H7とカンピロバクターに汚染された水道水を飲むことによる
 胃腸炎の発症から8年以内に、高血圧、腎障害、心血管疾患を発症するリスク評価を
 プロスペクティブに施行。

方法:
 2000年5月に起こったWalkerton市水道システムの汚染による胃腸炎の集団発生後、
 2002~2005年までにWalkerton Health Studyに登録された成人合計
 1977人を対象とした。
 プライマリエンドポイントは、急性胃腸炎(3日以上持続する下痢、出血性下痢、
 1日3回以上の軟便)、高血圧(≧140/90mmHg)、腎障害(微量アルブミン尿、
 推定GFR<60mL/分/1.73m2)とした。また、医師により診断された
 心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全)をセカンダリエンドポイントとした。

結果:
 集団発生急性胃腸炎の発生率は54%(1067/1977人)。
 高血圧35%(697/1977人)であった。非急性胃腸炎例と比べても高かった
 38%(403人)vs 32%(294人)/910人)。
 腎障害の指標が少なくとも1つみられた例は29%(572/1977人)で、
 非急性胃腸炎例と急性胃腸炎例で同等であった。
 心血管疾患は1.9%(33/1749人)にみられた。
 急性胃腸炎の集団発生前に対する、発生後の高血圧および心血管疾患の
 調整HRは、それぞれ1.33(95%CI1.14~1.54)、
 2.13(95%CI:1.03~4.43)と有意だった。
 腎障害は、2指標満たす場合にはHR上昇がみられた(3.41)。

結論:
 大腸菌O157:H7およびカンピロバクターに汚染された水道水を飲むことに
 よって起こる急性の胃腸炎は、高血圧、腎障害、自己申告による心血管疾患の
 リスクの上昇をもたらす。

by otowelt | 2010-12-07 15:45 | 感染症全般

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