COPDを伴う肺癌術前治療にチオトロピウム+フォルモテロール+ブデノシド吸入療法が有用

肺癌+COPDの外科の論文。
個人的には面白いシナリオだと思う。

Short-term effects of inhalative tiotropium/formoterol/budenoside versus tiotropium/formoterol in patients with newly diagnosed chronic obstructive pulmonary disease requiring surgery for lung cancer:a prospective randomized trial.
Eur J Crdiothorac Surg 2010 Oct 20(Epub ahead of print)


背景:
 肺癌手術の際、新たにCOPDの診断がなされることは少なくないが、
 未治療で予め肺機能が低下している患者は肺手術の適応とならない。
 肺癌手術前に新たにCOPDと診断された患者に対する術前薬物療法の
 短期的な効果に関する報告は少ない。

方法:
 禁煙指導、胸部理学療法併用下に
 1群:チオトロピウム+フォルモテロール+ブデノシド 1週間投与
 2群:チオトロピウム+フォルモテロール 1週間投与
 を比較する前向きランダム化試験を実施した。患者46例を1群(n=24)
 または2群(n=22)にランダムに割りつけた。患者はCOPD治療歴のないもの。
 プライマリエンドポイントは各治療終了時のボディプレチスモグラフィー
 すなわち1秒量(FEV1)、努力性肺活量(FVC)および気道抵抗(RAW)、
 セカンダリエンドポイントは治療1週後のFEV1の≧10%の改善、
 COPD重症度の改善および術後の肺合併症の頻度とした。

結果:
 患者の年齢、身長、体重、喫煙歴、ベースラインのボディプレチスモグラフィー
 (FVC、FEV1、RAW)、GOLD分類は2群で同等であったが、
 FEV1(2.0L vs 1.7L;p=0.031)とFEV1の増加(0.31L vs 0.10L;p=0.02)
 に対する治療の短期効果は1群のほうが良好であった。
 1週間の治療後、FEV1≧10%の改善(p=0.004)と
 COPD重症度の改善(p=0.012)がみられた症例は1群で多かった。
 1群では術後の肺合併症の頻度も低かった(11.1% vs 42.9%;p=0.04)。

結論:
 いずれの治療でも肺機能の改善が認められたが、
 チオトロピウム、フォルモテロールに吸入ブデノシドを加えた方が
 FEV1とCOPD重症度の改善の点で良好であった。

by otowelt | 2010-12-09 12:09 | 肺癌・その他腫瘍

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