吸入ステロイドは糖尿病発症あるいは増悪のリスク

呼吸器内科医にとっては若干凹む内容の臨床試験結果。
吸入ステロイドですら、糖尿病リスクとなる可能性を孕む。

Inhaled Corticosteroids and the Risks of Diabetes Onset and Progression
The American Journal of Medicine, Vol 123, No 11, November 2010


背景および方法:
 全身的なコルチコステロイドの作用が糖尿病リスクを上昇させることが
 わかっているが、高用量吸入ステロイドが悪化させるかどうかはまだ
 わかっていない。われわれは、高用量ステロイド吸入が糖尿病発症リスク
 となるかどうかを調べた。1990年から2005年の間に
 the Quebec health insurance databasesにより吸入ステロイドを
 呼吸器疾患で処方された患者を2007年までフォローアップした。
 また、上記患者において血糖降下薬を使用した患者についても同様にフォローアップ。

結果:
 388584人の患者で、30167人が5.5年のフォローアップ中に糖尿病を発症
 (incidence rate 14.2/1000/year)、2099人が経口血糖降下剤から
 インスリンへの移行(incidence rate 19.8/1000/year)した。
 吸入ステロイドを使用することで34%糖尿病率増加(RR1.34;95%CI 1.29-1.39)、
 糖尿病増悪率増加(RR 1.34; 95% CI, 1.17-1.53)と関連
 リスクは、吸入ステロイド使用量が最も多い群(FP 1000μg/d以上)で多かった
 (RR 1.64; 95% CI, 1.52-1.76 and RR 1.54; 95% CI, 1.18-2.02)。
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結論:
 呼吸器疾患において、吸入ステロイドを使用することは
 糖尿病発症あるいは糖尿病増悪のリスクと関連する。

by otowelt | 2010-12-21 11:37 | 肺癌・その他腫瘍

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