ミネソタ州Olmsted Countyにおける8年間のARDS死亡率は半減

AJRCCMから、ARDSのoverall mortalityがここ最近減少しているという論文である。

8年の間でoverall mortalityが減少している要因として、Discussionの最初で
tidal volumeが6-8ml/kgと低めに設定したことより院内ARDSが減った可能性を
示唆している。これは、2010年に発表されたRCTの結果を受けている。
(tidal volumeが10ml/kgと6ml/kgで、前者の方がALI発症リスクが有意に高かった)
Ventilation with lower tidal volumes as compared with conventional tidal volumes for patients without acute lung injury: a preventive randomized controlled trial. Crit Care 2010;14:R1.
他にも輸血の基準などを見直したりしたことが要因として挙げられている。

Discussionの後半に、sepsis teamやrapid response teamなど
複数のチームが登場している。チームコンサルテーションに関しては、
どういうわけか、ここ最近論文が非常に多い。
と言っても、日本ではなかなかできない現状がある。
Effect of 24-hour mandatory versus on-demand critical care specialist presence on quality of care and family and provider satisfaction in the intensive care unit of a teaching hospital. Crit Care Med 2008;36:36–44.

以下、今回の論文。
Eight-Year Trend of Acute Respiratory Distress Syndrome A Population-based Study in Olmsted County, Minnesota
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 183. pp. 59-66, (2011)


背景:
 ARDSの最近治療の進歩はめざましい。
 最近のこういった進歩により、致死的な状況を減らすことができるかどうかを
 本研究において調べた。

目的:
 ARDSのアウトカムを観察する

方法:
 ミネソタ州Olmsted Countyで行われたpopulation-based cohort studyである。
 低酸素血症と両側肺浸潤影でICU入室となった患者をスクリーニングした。
 ARDSの存在は、American-European Consensus Conference criteriaによって
 診断した。こういった患者らを8年間にわたりアウトカムを観察した(2001–2008)。

結果:
 8年の間をかけて、ARDSの重症度が増し、合併症を有する症例が多く、
 ARDSを誘発するようなリスクが高い傾向にあった。
 ARDSそのものの発症は10万人年あたり82.4から38.9へ減少した(P< 0.001)。
 院内発症ARDSが有意に減少し(P < 0.001)、入院時ARDSの頻度は
 減少していなかった(P = 0.877)。全体の死亡率とICU入室期間は減少し
 (P < 0.001)、ARDSごとの致命率は有意には減少しなかった。

結論:
 準都市部において、ここ8年でARDSは重症度、合併症の頻度、
 リスクファクターなどが多い傾向にあるが、ARDSの頻度は半分以下に減少した。
 

by otowelt | 2011-01-04 06:38 | 集中治療

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