サルコイドーシスにおいて、心拍数の回復遅延がみられる
2011年 01月 05日
heart rate recoveryはいろいろな疾患で検証されており、
ぶっちゃけたところ”言ったもん勝ち”の要素もあるように思う。
過去記事:
・6分間歩行試験後の心拍数回復は、IPFにおける予後因子である
CHESTからサルコイドーシスにおけるHRRの話題。
Impaired Heart Rate Recovery Index in Patients With Sarcoidosis
CHEST 2011; 139(1):60–68
背景:
炎症性肉芽腫性疾患であるサルコイドーシスは、さまざまな循環器系障害と
関連しており、致死的な心室性不整脈や突然死にいたることもある。
運動後の心拍数の回復:heart rate recovery (HRR)は、迷走神経機能
であり、この障害は心臓血管による死亡あるいは全死亡の独立危険因子である。
このスタディの目的は、サルコイドーシスにおけるHRRを評価することである。
方法:
56人のサルコイドーシス患者を登録(23人が男性、平均年齢は47.3±13、
平均罹患年数は38.4 ± 9.7 months)した。54人の健常者を対照群として
登録した(20人が男性、平均年齢は46.5±12.9)。心電図、心エコー、
トレッドミル検査が全ての患者においておこなわれた。
HRR indexは、1分後の心拍数ピークの減少と定義した(HRR1)。
2分後のものはHRR2とし、HRR3、HRR5まで定義。
結果:
HRR1とHRR2において、サルコイドーシスと対照群に有意な差がみられた。
(HRR1:25± 6 vs 34 ± 11; P<.001 、HRR2:45 ± 10 vs 53 ± 12; P<.001)
同様にHRR3、HRR5も同じ結果が得られた。
(HRR3:53 ±12 vs 61± 13; P< .001、HRR5:60 ± 13 vs 68 ± 13; P<.001)
運動耐容能も有意に低く(9.2 ± 2.1 vs11.6 ± 2.8 METs; P=.001)、
安静時の収縮期肺動脈圧もサルコイドーシス患者で高かった。
(29.7± 5.5 mmHg vs 25.6 ± 5.7 mmHg, P=.001)
加えて、サルコイドーシスの放射線学的ステージによっても差がみられた。 結論:
サルコイドーシスにおけるHRR indexは、健常者に比べると回復が遅い。
HRR indexを予後予測因子として考えたとき、これによって
不整脈の発症や突然死の増加を説明できるかもしれない。
ぶっちゃけたところ”言ったもん勝ち”の要素もあるように思う。
過去記事:
・6分間歩行試験後の心拍数回復は、IPFにおける予後因子である
CHESTからサルコイドーシスにおけるHRRの話題。
Impaired Heart Rate Recovery Index in Patients With Sarcoidosis
CHEST 2011; 139(1):60–68
背景:
炎症性肉芽腫性疾患であるサルコイドーシスは、さまざまな循環器系障害と
関連しており、致死的な心室性不整脈や突然死にいたることもある。
運動後の心拍数の回復:heart rate recovery (HRR)は、迷走神経機能
であり、この障害は心臓血管による死亡あるいは全死亡の独立危険因子である。
このスタディの目的は、サルコイドーシスにおけるHRRを評価することである。
方法:
56人のサルコイドーシス患者を登録(23人が男性、平均年齢は47.3±13、
平均罹患年数は38.4 ± 9.7 months)した。54人の健常者を対照群として
登録した(20人が男性、平均年齢は46.5±12.9)。心電図、心エコー、
トレッドミル検査が全ての患者においておこなわれた。
HRR indexは、1分後の心拍数ピークの減少と定義した(HRR1)。
2分後のものはHRR2とし、HRR3、HRR5まで定義。
結果:
HRR1とHRR2において、サルコイドーシスと対照群に有意な差がみられた。
(HRR1:25± 6 vs 34 ± 11; P<.001 、HRR2:45 ± 10 vs 53 ± 12; P<.001)
同様にHRR3、HRR5も同じ結果が得られた。
(HRR3:53 ±12 vs 61± 13; P< .001、HRR5:60 ± 13 vs 68 ± 13; P<.001)
運動耐容能も有意に低く(9.2 ± 2.1 vs11.6 ± 2.8 METs; P=.001)、
安静時の収縮期肺動脈圧もサルコイドーシス患者で高かった。
(29.7± 5.5 mmHg vs 25.6 ± 5.7 mmHg, P=.001)
加えて、サルコイドーシスの放射線学的ステージによっても差がみられた。
サルコイドーシスにおけるHRR indexは、健常者に比べると回復が遅い。
HRR indexを予後予測因子として考えたとき、これによって
不整脈の発症や突然死の増加を説明できるかもしれない。
by otowelt
| 2011-01-05 06:57
| サルコイドーシス