トリプルネガティブの転移性乳癌におけるPARP阻害薬:iniparib

この間のESMOで発表された、トリプルネガティブの転移性乳癌に対する
PARP阻害薬のphase II試験結果がNEJMから発表された。
OS改善の達成が評価されたためだと思われる。

Iniparib plus Chemotherapy in Metastatic Triple-Negative Breast Cancer
N Eng J Med; 2011: January 5, 1-10


背景:
 トリプルネガティブの乳癌はDNA修復に内在する問題があり、
 PARP阻害薬は論理的に効果があると思われる薬剤である。

方法:
 このphaseII試験は、転移性トリプルネガティブ乳癌患者123人を対象に、
 ゲムシタビンとカルボプラチンのみを投与する群(G/C群)と、
 ゲムシタビンとカルボプラチンに、iniparibを投与する群(iniparib併用群)に
 ランダムに割り付けた。21日おきに、ゲムシタビン1000mg /m2と
 カルボプラチンAUC=2を第1日と第8日に投与し、iniparib群にはiniparibを
 第1日と第4日、第8日、第11日に5.6mg/kgを投与。

結果:
 ITT解析で奏効率はG/C群が32.3%、iniparib併用群は52.5%(p=0.023)、
 臨床的ベネフィット:CR+PR+6カ月以上のSD、はG/C群は33.9%であったが、
 iniparib併用群では55.7%だった(p=0.015)。またITT解析でPFS中央値は、
 G/C群が3.6カ月(95%CI2.6-5.2)、iniparib併用群は5.9カ月(95%CI4.5-7.2)
 で、HR0.59(95%CI0.39-0.90、p=0.012)。
 OS中央値は、G/C群が7.7ヶ月(95%CI6.5-13.3)であるのに対し、 
 iniparib併用群では12.3ヶ月(95%CI9.8-21.5)と、5ヶ月の延長が認められた。
 HR0.57(95%CI0.36-0.90、p=0.014)。
 2群とも新たな副作用はなかった。主なグレード3/4の有害事象は、
 好中球減少、血小板減少、貧血、白血球減少、疲労、下痢、吐き気、嘔吐。
 G/C群の27%、iniparib併用群の14%は有害事象のため治療を中止。
e0156318_12185382.jpg

結論:
 トリプルネガティブの転移性乳癌において
 ゲムシタビンとカルボプラチンに、iniparibを併用するとOSが延長する。

by otowelt | 2011-01-06 06:24 | 肺癌・その他腫瘍

<< アレルギー性喘息患者にオマリズ... 抗結核薬におけるDLSTは役に... >>