A. baumannii complex 菌血症におけるgenospecies 2 は、肺炎を合併しやすく、死亡リスクを上昇

ややこしいが、いわゆるA.baumanniiと呼んでいるものは
genospecies(ゲノム種)2のことである。
A. baumannii に近いゲノム種の3および13TUが感染症起因菌となる
ケースはA. baumannii より少ないとされているが、
区別自体が日常検査はで難しい点が問題となる。

Influence of Genospecies of Acinetobacter baumannii Complex on Clinical Outcomes of Patients with Acinetobacter Bacteremia
Clin Infect Dis. (2011) 52 (3): 352-360


背景:
 Acinetobacter baumannii complex感染は増えており、
 高い致死率をもたらす。生物化学的分類試験において
 A. baumannii (genospecies 2)と、他のgenospeciesを
 区別することは難しい。

方法:
 成人患者においてA. baumannii complex菌血症により
 ICU入室となった患者をプロスペクティブに2007年1月から2009年7月まで
 検証した。A. baumannii complexは、Phoenix bacterial
 identification systemにより同定した。Genospeciesは、16S-23S
 ribosomal RNA intergenic-spacer sequencingにより同定した。

結果:
 135人のA. baumannii complex 菌血症患者を登録した。
 87人(64.4%)がgenospecies 2、36人(26.7%)がgenospecies 13TU、
 12人(8.9%)がgenospecies 3を有していた。genospecies 2における
 菌血症患者は、13TUよりも肺炎を発症しやすかった。
 (63.2 % vs 27.8%; P =.001)
 すなわちgenospecies 13TUによる菌血症は、初発から菌血症として
 発症する傾向にあった(69.4% vs 20.7%; P <.001)。genospecies 2は
 抗菌薬感受性が他と比べて低かった。これは13TUと比べて死亡率が高い
 ことを示している(58.6% vs 16.7%; P < .001)。
 また多変量解析においてgenospecies 2は、死亡の独立予測因子
 であった(OR 5.46; 95% CI 2.00–14.91; P = .001)。
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結論:
 A. baumannii complex におけるgenospecies 2は
 ほかのgenospecies、特に13TUと比べて
 抗菌薬耐性の傾向が強く、死亡率が高い。

by otowelt | 2011-01-12 05:59 | 感染症全般

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