子宮摘出は腎細胞癌のリスクを上昇させる

oncologistとしては知っておきたい知識である。

Risk of Renal Cell Carcinoma After Hysterectomy
Arch Intern Med. 2010;170(22):2011-2016


背景:
 子宮摘出術は、婦人科で行われる手術の中で最も多いとされている。
 良性疾患での子宮摘出術が腎細胞癌リスク上昇に関係するとされているが、
 質の高い研究に由来する情報は少ない。

方法:
 子宮摘出術が腎細胞癌リスクに与える影響を検証するため、
 スウェーデンの医療記録databaseから情報を抽出。
 入院登録と癌登録データと照らし合わせ、1973年1月1日~
 2003年12月31日までに子宮摘出術を受けたすべての女性を抽出した。

結果:
 良性疾患により子宮摘出術を受けたのは184945人であった。
 また、対照として657288人を検証。
 死亡、腎細胞癌、尿管癌(腎盂尿管癌)、膀胱癌、その他の原発癌
 の診断までそれぞれを追跡した。
 子宮摘出群では2061556人年の追跡で357人(0.20%)、
 対照群では7631824人年の追跡で995人(0.15%)が、腎細胞癌と診断。
 腎細胞癌の粗罹患率は、子宮摘出術を受けた女性において10万人年あたり
 17.4、対照群で13.1であった。生年、摘出術時の居住地域で調整した
 HRは1.50(95%CI1.33-1.69)となった。 
 腎臓癌リスクが最も高かったのは、44歳以下で子宮摘出術を受けた女性の
 術後10年間であった(HR2.36、1.49-3.75)。
 子宮摘出術の術式については、腹式子宮全摘術を受けた患者
 (対照群と比較したHR1.51、1.31-1.74)で最も高かった。
 一方、膣式子宮摘出術を受けた患者では低く、リスク上昇は有意ではなかった。
 (HR0.75、0.45-1.23)。腹腔鏡を用いた子宮摘出術は症例不足であった。

結論:
 良性疾患による子宮摘出が腎細胞癌リスクを有意に上昇させる。
 若年時の子宮摘出術はそのリスクをさらに上昇させる。

by otowelt | 2011-01-13 05:21 | 肺癌・その他腫瘍

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