ボセンタンは、SScにおいて新たなDUs発症を減らす

ボセンタンがらみの話題。呼吸器内科医であるため、
ボセンタンに話題はある程度知っておいた方がよいと思ったので。
今回RCTが、Arthritis Rheumに出ていた。

SScにおけるボセンタンのDU予防の話。過去にも似た内容の論文がある。
Digital ulcers in systemic sclerosis:prevention by treatment with bosentan, an oral endothelin receptor antagonist.
Arthritis Rheum 2004; 50 : 3985 – 93 .


以下今回の論文。

Bosentan treatment of digital ulcers related to systemic sclerosis: results from the RAPIDS-2. randomised, double-blind, placebo-controlled trial
Ann Rheum Dis 2011;70:32–38


目的:
 虚血性手指潰瘍;ischaemic digital ulcers (DUs)は、
 全身性強皮症(SSc)においてよくみられ、疾患関連死亡率上昇の原因ともなりうる。
 過去の臨床試験で、経口エンドセリン受容体拮抗薬であるボセンタンは
 新たなDUsを48%減らすことが示された。
 このスタディ(RAPIDS-2試験)ではSScにおけるボセンタンの効果を
 より評価したものである。
 
方法:
 この二重盲検プラセボ対照試験は、ヨーロッパと北米の41施設で
 おこなわれ、188人のSScの患者で少なくとも1つの
 活動性のDUがある患者に対して
 ボセンタン62.5㎎1日2回4週間し125mg1日2回20週間
 を投与する群(n=98)と、プラセボを20週内服する群(n=90)に
 割りつけた。2つのプライマリエンドポイントが設定された。
 すなわち、新たなDUsの数、cardinal ulcerの治癒までの時間とした。
 セカンダリエンドポイントは、疼痛、機能障害、安全性とした。

結果:
 ボセンタンが投与された群では、プラセボと比較し新たなDUsが30%減少。
 (mean±standard error:1.9±0.2 vs 2.7±0.3 new ulcers; p=0.04)
 この効果はよりDUsが多かった患者においてよくみられた。
 cardinal ulcerあるいはセカンダリエンドポイントにおいては差がみられなかった。
 末梢性浮腫とアミノトランスフェラーゼの上昇がボセンタン群で
 副作用としてみられた。
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結論:
 ボセンタンは、SScにおいて新たなDUs発症を減らしうるが
 DUの治癒については寄与しない。ボセンタンは、安全で忍容性があり
 再発性DUsのあるSScのマネジメントには有用であると思われる。

by otowelt | 2011-01-14 05:36 | 膠原病

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