CCR2は好中球が多臓器へ浸潤するためのカギとなる受容体

CCR2はマクロファージ、好中球浸潤による組織障害を誘導すると言われている。

Essential Role of CCR2 in Neutrophil Tissue Infiltration and Multiple Organ Dysfunction in Sepsis
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 234–242, 2011


背景:
 敗血症は、感染症による全身性炎症反応として定義されており
 多臓器不全(MODS)と関連する重症な病態である。
 MODSの詳しいメカニズムについてはまだよくわかっていない。
 好中球は感染防御における要であるが、過度の好中球活性化は
 組織ダメージを起こしうることが知られている。

目的:
 われわれは、敗血症において
 ケモカインレセプターCCR2が好中球浸潤に果たす役割と
 遠隔臓器の組織ダメージ惹起を引き起こす役割について研究した。

方法:
 敗血症は、CCR2アンタゴニスト(RS504393) あるいはCCR22/2が
 投与された野生型マウスに対して盲腸結紮穿刺(CLP)モデルにより
 惹起された。臓器への好中球浸潤は、ミエロペルオキシダーゼ活性と
 フルオロセイン活性化細胞分別機で測定した。

結果:
 CCR2の発現はCLPによる敗血症の間、Toll-like receptor/nuclear factor
 -kB pathwayを経由し、循環好中球によって惹起された。
 遺伝子的・薬理学的なCCR2阻害は、CLPによる死亡からマウスを
 守ることができた。この所見は、肺、心臓、腎臓への好中球浸潤が少ない
 ためであると推察される。重要なこととして、敗血症患者における
 好中球はCCR2高値をもたらし、この重症度と
 CCR2リガンドへの好中球遊走が増えることとが相関しているものと考える。

結論:
 これらのデータにより、敗血症において
 CCR2は好中球が多臓器へ浸潤するためのカギとなる受容体であると考えられる。
 そのためCCR2がブロックできるとすれば、敗血症によるMODS治療に対して
 潜在的な新治療となりうる。

by otowelt | 2011-01-19 06:29 | 集中治療

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