M. abscessusは抗菌薬治療に外科手術を加えたほうが微生物学的アウトカムが良好

いわゆるrapid growingと呼ばれる非結核性抗酸菌症のうち
Mycobacterium abscessusの論文がCIDから出ていた。
M. abscessusの治療としては、重症例や呼吸器合併例では
uptodateには以下の記載がある。
•Amikacin (15 mg/kg per day divided in two doses) plus either
•Cefoxitin (2 g intravenously every four hours) or
•Imipenem (1 g intravenously every six hours) plus
•Clarithromycin (500 mg twice daily) or azithromycin (250 to 500 mg daily)

ゆえに、チエナム、アミカシン、クラリスなどと
いった組み合わせを用いることになる。
リネゾリドやモキシフロキサシンといった抗菌薬も有効性が示唆されている。
・Activities of linezolid against rapidly growing mycobacteria. Antimicrob Agents Chemother 2001; 45:764.
・In vitro activity of new fluoroquinolones and linezolid against non-tuberculous mycobacteria. Int J Antimicrob Agents 2003; 21:585.


以下CIDからの論文。

Clinical and Microbiologic Outcomes in Patients Receiving Treatment for Mycobacterium abscessus Pulmonary Disease
Clinical Infectious Diseases 2011;52(5):565–571


背景:
 M. abscessusは、慢性呼吸器感染症を引き起こすが、適切な治療法や
 長期アウトカムについてはほとんどわかっていない。

方法:
 われわれは、ATSのM. abscessus呼吸器疾患の基準に合致する
 症例についてレトロスペクティブ観察研究を2001年から2008年までおこなった。
 われわれの目的は、臨床的あるいは微生物学的アウトカムを、これらの
 患者において抗菌薬多剤併用を手術+抗菌薬と比較することである。

結果:
 107人の患者が解析に組み込まれた。患者は女性に多く(83%)、
 非喫煙者は60%、平均年齢は60歳であった。
 107人のうち59人(55%)が呼吸器MAC感染症を現在あるいは過去に有していた。
 HRCTにおいて気管支拡張症・結節影が98%の患者において、空洞が44%の患者に
 みられた。69人(46人内科的、23人外科手術)が平均34ヶ月フォローアップ
 された。咳嗽、喀痰、疲労感が残存、改善、寛解したのはそれぞれ
 80%、69%、59%であった。69人のうち20人(29人)が培養陽性が
 残存しており、16人(23%)が陰性化したものの再発を経験。
 33人(48%)が陰性化し再発もしなかった。17人(16%)が観察期間中死亡。
 培養陰性化し、それが最低1年続いた患者は外科手術例に顕著であった。
 (57% vs 28%; P=.022)
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結論:
 M. abscessus呼吸器感染において、多剤併用抗菌薬療法と
 手術+抗菌薬治療は臨床的に同様のアウトカムであった。
 しかしながら、外科手術例において微生物学的な反応はより長く続くと思われる。

by otowelt | 2011-02-07 05:41 | 抗酸菌感染症

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