ボリコナゾールにおけるフッ化物濃度上昇による、骨関連有害事象

フッ化物は、骨芽細胞刺激により骨形成を促進するとされている。
ボリコナゾールにおけるフッ化物濃度上昇は、点滴ではみられるが錠剤では
みられないという特徴がある。
ボリコナゾール投与により、5%がフッ化物代謝されるとされており、
これが今回報告されているような副作用を起こす原因と考えられている。
The disposition of voriconazole in mouse, rat, rabbit, guinea pig, dog, and human. Drug Metab Dispos 2003; 31:731–41.

日本のブイフェンドの添付文書にはALP増加は7%と記載されている。
骨髄炎の記載はない。

Fluoride Excess and Periostitis in Transplant Patients Receiving Long-Term Voriconazole Therapy
Clinical Infectious Diseases 2011;52(5):604–611


概要:
 心臓移植患者において、フッ化物を含むボリコナゾールの長期投与による
 疼痛を伴う骨髄炎と外骨腫がみられた。血清のフッ化物レベルと
 骨髄フッ化物レベルを同定した。ボリコナゾール中断により、疼痛、フッ化物レベル、
 ALPが改善した。

方法:
 果たしてボリコナゾールがフッ化物過剰を生むのか、10人の移植後患者で
 少なくとも6ヵ月のボリコナゾールを投与した患者と、10人の移植後患者で
 投与されていない患者、両群において血清フッ化物濃度を同定した。
 ボリコナゾール投与患者においてフッ化物レベルを測定する上で
 腎機能障害の影響を考慮するために、半数は血清クレアチニンが1.4より多いものを、
 残りの5人はクレアチニンが1.4以下のものとした。
 すべてのコントロール群患者の血清クレアチニンレベルは1.4より多いものとした。
 フッ素化した薬品を用いられた患者は除外した。

結果:
 ボリコナゾール投与を受けたすべての患者は血清フッ化物レベルが上昇し、
 コントロール群では誰ひとりとして上昇しなかった
 (14.32 lmol/L ± 6.41 vs 2.54 ± 0.67 lmol/L; P,.001)
 腎機能は、予測フッ化物レベルに寄与しなかった。血清フッ化物レベルは
 カルシニューリン阻害薬濃度や用量による調整後においても、
 ボリコナゾール群で高値を示した。ボリコナゾール群の半数において
 骨髄炎がみられ、2人に外骨腫がみられた。骨髄炎患者における
 ボリコナゾール中断により、疼痛、ALP、フッ化物レベルは改善した。

結論:
 ボリコナゾールは、移植後患者における長期使用例において
 疼痛を有する骨髄炎、外骨腫、フッ化物濃度上昇と関連している。

by otowelt | 2011-02-09 09:19 | 感染症全般

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