脳卒中におけるカンデサルタンによる降圧は不要どころか有害である可能性

武田薬品にとっては嬉しくない結果だ。

The angiotensin-receptor blocker candesartan for treatment of acute stroke (SCAST): A randomised, placebo-controlled, double-blind trial
Lancet 2011; DOI: 10.1016/S0140-6736(11)60104-9.


背景:
 血圧上昇は、急性脳卒中ではよくみられ、
 これはアウトカムの不良に関連している。
 われわれは、アンジオテンシン受容体拮抗薬であるカンデサルタンを
 用いて注意深く血圧を低く保つことの妥当性を調べた。

方法:
 ランダム化プラセボ対照二重盲検試験を北欧の146施設で施行。
 18歳以上の急性脳卒中患者(虚血あるいは出血)において収縮期血圧140mmHg
 以上の症状オンセットから30時間以内の患者が登録された。
 7日間、カンデサルタンおよびプラセボに1:1に割り付けられ、
 用量は4mg day1から16mg day3-7まで増量。
 プライマリエンドポイントは2変数とした。
 ・初期6ヵ月の血管系死、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイント
 ・初期6ヵ月の機能アウトカム(modified Rankin Scale)

結果:
 2029人の患者のうち、6ヵ月でデータ解析可能であったのは2004人。
 (99%; 1000 candesartan, 1004 placebo)
 7日間の治療後血圧は、カンデサルタン群で147/82 mm Hg [SD 23/14]、
 プラセボ群で152/84 mm Hg [22/14] (p<0.0001)。
 6ヶ月間のフォローで血管系死のイベントは、カンデサルタンは
 120件、プラセボは111件。補正HR1.09(95% CI 0.84—1.41; p=0.52)で
 有意差なし。機能的アウトカムのリスクについては補正OR1.17
 (95% CI 1.00—1.38; p=0.048)であり、カンデサルタン群の方が不良であった。
 フォローアップ中、カンデサルタン群の9人(1%)とプラセボ群の5人(<1%)が
 症状のある低血圧がみられ、腎不全はカンデサルタン群の18人(2%)、プラセボ群の
 13人(1%)にみられた。

結論:
 急性脳卒中において、カンデサルタンによる注意深い降圧は不要である。
 いずれにせよ、利益よりも害の方が大きい。

by otowelt | 2011-02-13 13:23 | 救急

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