IPF急性増悪に対して、ステロイドパルスとタクロリムスの併用は有用である可能性

IPFの急性増悪にタクロリムスを用いたというInternal Medicineからの論文。
レトロスペクティブな小規模の研究なので、インパクトは強くないが
個人的に興味がある。
論文内にも記載があるが、IPF急性増悪時のタクロリムスの使用例
についてはあまり論文数としても多くない。
Acute respiratory distress syndrome secondary to antisynthetase syndrome
is reversible with tacrolimus. Eur Respir J 31: 213-217, 2008.


以下その報告。

Tacrolimus and Steroid Treatment for Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Intern Med 50: 189-195, 2011


目的:
 IPFの急性増悪(AE-IPF)はIPFの慢性的な進行性の経過中に起こる。
 死亡率は70%を超えるが、治療法についてはまだ確立されていない。 
 われわれはタクロリムスとメチルプレドニゾロンの併用療法について評価した。

方法:
 AE-APFの患者でメチルプレドニゾロンによるステロイドパルス療法に
 タクロリムス(標的血中濃度20 ng/mL)を加えた場合と加えなかった場合を
 レトロスペクティブに比較。 
 調査期間は2001年1月から2010年4月まで。
 プライマリエンドポイントは、生存率および生存期間。
 また我々はLDHレベル、P/F ratio、KL-6、再増悪の頻度、CTスコアも観察した。

結果:
 15人の日本人の患者でタクロリムス群74.2±6.0歳(n=5)、非タクロリムス群
 75.1±12.8歳(n=10)がAE-IPFであった。
 治療前のパラーメータは有意な差はみられず。 
 5人のタクロリムス群のうち4人、10人の非タクロリムス群のうち1人が生存した
 (p<0.05)。生存期間中央値は>92日(タクロリムス群)、38日(非タクロリムス群)
 (p<0.05)であった。 LDH、P/Fratioはタクロリムス群で有意によかった。
 KL-6、CTスコアは有意差なし。
 非タクロリムス群において4人の再増悪患者がみられた。

結論:
 メチルプレドニゾロンによるステロイドパルス療法にタクロリムスを併用すること
 により、AE-IPFに対する緩和効果がみられ、再増悪を予防できる可能性がある。

by otowelt | 2011-02-13 13:47 | びまん性肺疾患

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