漏出性胸水がある人工呼吸器装着患者において、ドレナージは人工呼吸器装着期間を短縮する

過去のCHESTの論文に、胸水ドレナージにより
人工呼吸器装着患者において呼吸仕事量が減ることが報告されている。
e0156318_14151100.jpg
Effect of thoracentesis on respiratory mechanics and gas exchange in the patient receiving mechanical ventilation. Chest . 2006 ; 130 ( 5 ):1354 - 1361

今月のCHESTに、プライマリエンドポイントに臨床アウトカムを
設定したレトロスペクティブ試験が掲載されていた。

Chest Tube Drainage of Transudative Pleural Effusions Hastens Liberation From Mechanical Ventilation
CHEST 2011; 139(3):519–523


背景:
 胸水はしばしば人工呼吸器を装着する患者にみられる。
 増悪の原因治療および胸水の寛解には時間を要する。
 われわれは人工呼吸器患者において、レトロスペクティブに
 漏出性胸水に対してドレナージの効果を検証した。

方法:
 患者は、Maimonides Medical Centerの内科ICU(MICU)に2009年1月
 から2009年10月31日まで入室していた患者で人工呼吸器を装着し
 漏出性胸水がみられた対象とした。患者は2群にわけられた。
 通常治療において治療された群と胸腔ドレーンによってドレナージを受けた群。
 胸腔ドレナージは集中治療医において、エコーガイド下に施行された。
 プライマリエンドポイントは人工呼吸器装着期間とした。
 セカンダリエンドポイントは、酸素化の程度、ドレナージされた胸水両、
 胸腔ドレーンによる合併症とした。 
 漏出性胸水の診断はLightの基準に準じた。
 1. The ratio of pleural to serum protein was >0.5
 2. The ratio of pleural to serum lactate dehydrogenase was >0.6
 3. The pleural fl uid lactate dehydrogenase level was >200 IU/L
 胸腔ドレーンは、14Fr pig tailのもの(Angiodynamics Inc;Latham, NY)。

結果:
 168人の患者がスタディに組み込まれた。88人が通常治療、80人がドレナージを
 受けた。トータルの人工呼吸器装着期間は、有意に胸腔ドレナージ群の方が
 短かった。(3.8 ± 0.5 days vs 6.5 ± 1.1 days )( P=.03)
 酸素化は両群ともに差はみられなかった。平均胸水ドレナージ量は1220mlであった。
 有意な合併症は確認されなかった。
e0156318_1433459.jpg
結論:
 人工呼吸器装着患者において、漏出性胸水がみられる場合胸腔ドレーンにより
 ドレナージをはかる方が人工呼吸器装着期間は短縮できる。

by otowelt | 2011-03-02 08:58 | 集中治療

<< 16S rDNAクローンライブ... ゼフィックス予防投与は乳癌患者... >>