挿管された外傷患者へのストレス量のヒドロコルチゾンはその後の肺炎を減少させる

Hydrocortisone Therapy for Patients With Multiple Trauma
The Randomized Controlled HYPOLYTE Study
JAMA. 2011;305(12):1201-1209


背景:
 ストレス量のヒドロコルチゾンを外傷患者に用いることの役割はまだわかっていない。

目的:
 ヒドロコルチゾンを外傷患者に用いることの効果を検証する。

方法:
 多施設共同ランダム化プラセボ対照比較試験である
 (HYPOLYTE (Hydrocortisone Polytraumatise)試験)
 フランスの7ICUにおいて、2006年11月から2009年8月までの
 150人の重症外傷患者を登録した。彼らはランダムにヒドロコルチゾン投与群
 (200 mg/d 5日間、その後6日目100mg/d、7日目50mg/d)
 とプラセボ群に割りつけられた。不適切な副腎応答があった患者は治療中断とした。
 主要転帰は28日以内の院内肺炎とし、副次転帰は人工呼吸器装着期間、
 低ナトリウム血症、死亡とした。

結果:
 ITT解析では149人が組み込まれた。
 modified ITT解析では、113人がコルチコステロイド欠乏であった。
 ITT解析でヒドロコルチゾン治療を受けた73人のうち26人 (35.6%) が、
 プラセボ群の76人のうち39人(51.3%)が、28日以内に肺炎に陥った
 (HR 0.51; 95% CI0.30-0.83; P=.007)。
 modified ITT解析では、前者の56人のうち20人(35.7%)が、
 後者の57人のうち31人が28日以内に肺炎に陥った
 (HR, 0.47; 95% CI, 0.25-0.86; P=.01)。
 人工呼吸器非装着日数は、ヒドロコルチゾン群において
 ITT解析では4日増加(95% CI, 2-7;P=.001)、modified ITT解析では
 6日増加(95% CI, 2-11; P<.001)。
 低ナトリウム血症はプラセボ群の7人(9.2%)にみられたが
 ヒドロコルチゾン群では観察されなかった。
 (absolute difference, −9%; 95% CI, −16% to −3%; P=.01).
 プラセボ群の76人中4人(5.3%)、ヒドロコルチゾン群の73人中6人(8.2%)
 が死亡した(absolute difference, 3%; 95% CI, −5% to 11%; P=.44)。
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結論:
 挿管された外傷患者において、ストレス量のヒドロコルチゾンを
 投与することによって、院内肺炎を減少させることができる。

by otowelt | 2011-03-29 13:10 | 救急

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