インパクトファクター、5年インパクトファクター、アイゲンファクター

あまり臨床現場でアイゲンファクターがどーのこーのという議論はされて
いないように思う。

●インパクトファクター;IF
インパクトファクター(IF)は、医学をはじめ、自然科学・社会科学分野の学術雑誌を
対象として、その雑誌の影響度を測る指標のことである。1955年に
Eugene Garfieldが考案し、現在Thomson Reuterの引用文献databaseの
Web of Scienceに収録されるデータを元に算出されている。
計算方法は、wikipediaにも掲載されているように
Web of Science の収録雑誌の3年分のデータを用いて計算される。

(wikipediaから)
たとえばある雑誌の2004年のインパクトファクターは2002年と2003年の論文数、2004年のその雑誌の被引用回数から次のように求める。
A = 対象の雑誌が2002年に掲載した論文数
B = 対象の雑誌が2003年に掲載した論文数
C = 対象の雑誌が2002年・2003年に掲載した論文が、2004年に引用された延べ回数
C÷(A+B) = 2004年のインパクトファクター
例えば、この2年間合計で1,000報記事を掲載した雑誌があったとして、それら1,000報の記事が2004年に延べ500回引用されたとしたら、この雑誌の2004年版のインパクトファクターは0.5になる。
インパクトファクターは「学術雑誌」の評価指標であって、学術雑誌論文はもとより研究者の評価に用いるものではない。しかし、実際には多くの研究者がインパクトファクターに対する誤解を持っている。「この〔論文〕のインパクトファクターを知りたい」「〔私の〕インパクトファクターはいくつか」といった問いは典型的なインパクトファクターへの無理解を示している。自分の投稿した雑誌のインパクトファクターが、あたかも株価のように上昇することを期待するのもインパクトファクターへの無理解から来るものである。
計算対象についても、直近2年の論文データしか用いないのは短すぎるとの批判がある。インパクトファクターの計算に直近2年の論文データを用いるのは、どの分野においても平均的な論文は出版後2年目3年目に最も多く引用され、徐々に引用されなくなっていく傾向があるためである。しかし実際には分野によってはなだらかな山を描きながら息長く引用され続けるものもあり、この場合には直近2年のデータを用いたインパクトファクターでその論文の掲載誌の影響度をはかることは難しい。これに対する回答として、トムソン・ロイター社は 2009年、JCRに5年インパクトファクターを新たな指標として追加した。



●5年インパクトファクター;5yIF
上記のように5yIFは定義されるが、Journal Citation Reports(JCR)で、
IFと5yrIFで数値に差が出ているものが結構ある。実はこれ、本当に上記の
ような短期的評価によるデメリットを反映しているだけではないこともあると
されている。すなわち、自誌引用をするとIFを意図的に上昇させることができる
ためである。IFの究極の問題がココにある。また、論文数の少ない雑誌が
有利なのも言わずもがなである。そこでJCRが導入したのが
アイゲンファクター(Eigenfactor)である。


●アイゲンファクター;EF
計算方法が非常にややこしいので、読んですらいない。ただ、おおまかには
Googleの検索上位ランクのようなアルゴリズムらしく、引用元の雑誌に
”重み”をつけることで、よく引用される雑誌からの引用は大きな価値を与える
というものらしい。大規模な図書館を利用する医師が、その雑誌に
費やす時間の割合を推定したものがEFと考えてもらえればいい。
Natureから引用されようが、Honya-rara-journalから引用されようが、
カウントとしては1回は1回であったものが、雑誌間の引用に”重み”が
ついている点がIFとの大きな違いである。そのため、IFの欠点であった
以下の点がほぼ解消された。
1.論文数の少ない小規模の雑誌が高い数値になる
2.Reviewが多い雑誌が高い数値になる
3.分野によって偏りが出てしまう
ゆえにEFの上位にNATUREやSCIENCEが入るのは当然の結果であろう。
ちなみに、EFの総和は100になるように設定されている。


●Article influence score
Article Influence Scoreは、”重み付け引用”によるEFをそれぞれの
雑誌の掲載論文数の比、すなわち「全対象雑誌掲載論文に占める当該雑誌の
掲載論文数」で割ったもの。1を超えた場合、平均よりも影響力が強いということ。
論文数の比が分母にくるため、掲載数の少ない雑誌が高く出やすいという
IFと同じ欠点をもつ。ゆえに、IFとの相関が指摘されている。


上記をふまえて、個人的に興味のある分野の数値をみてみたい。

1.Oncology
1位は永らく不動であろうが、JCOのEFが思ったより高い。これには納得。
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2.Respiratory system
AJRCCMに匹敵するくらいCHESTのEFが高い。これも納得である。
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3.Infectious disease
Lancet infectious diseaseよりもCIDの方がEFが高い。
というよりも、思ったよりLancetが低い。
読む頻度としては個人的には両雑誌とも同等くらいだが…。
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4.Critical care medicine
これは、予想通り。
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by otowelt | 2011-03-31 05:54 | その他

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