ディーゼル自動車の排気ガスは肺癌リスクを上昇させる

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ディーゼルエンジンは、まだヨーロッパでは乗用車の
40%くらいのシェアがある。1890年代にディーゼル
(左写真人物)が発明したものである。

今週のAJRCCMから、ディーゼルエンジン
の排気ガスが肺癌のリスクを上昇させると
いう論文が出ていた。

Exposure to Diesel Motor Exhaust and Lung Cancer Risk in a Pooled Analysis from Case-Control Studies in Europe and Canada.
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 941–948, 2011


背景:
 ディーゼル自動車の排気ガスは、ヒトに対する発癌性があるとして
 the International Agency for Research on Cancerにより分類されている。
 ただ、疫学的なエビデンスは限定されており、曝露とのその反応の関係について
 潜在的交絡因子をコントロールして適切に評価した論文は少ない。

目的:
 職業的にディーゼル自動車の排気ガスに曝露されているヒトの
 肺癌リスクへの関連を、潜在的交絡因子をコントロールした上で調べる。

方法:
 SYNERGY計画は、生涯を通して煙に曝露されて仕事をしている
 13304症例と、11の症例対照研究から16282症例の対照群を設定。
 職業的な曝露に関してはISCO-68分類に基づいており、
 ディーゼルモーターの排気ガスへの曝露がない、低い、高いといった
 レベル分けにより評価をおこなった。

結果:
 ディーゼルに曝露された場合の肺癌リスク上昇は、
 最高レベル曝露の四分位と、非曝露との比較において
 オッズ比1.31(95%CI 1.19–1.43)であり、有意に曝露反応関連が
 みられた(P< 0.01)。
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結論:
 職業的にディーゼル自動車の排気ガスに曝露する場合、肺癌リスクを上昇させる。
 この関連性は、バイアスなどでは説明できないものである。

by otowelt | 2011-04-05 07:24 | 肺癌・その他腫瘍

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