systemic capillary leak syndromeにβ2刺激薬あるいは免疫グロブリン投与は有効かもしれない

SCLS(Systemic capillary leak syndrome)は
全身性の毛細血管の漏出性反応を起こす重症疾患であり、
多臓器不全やALI/ARDSとも関連が深い。近年ではMGUSとの関連が注目されている。
血管内血漿成分の8割近くが血管外に漏出することによって
重症の浮腫と循環血液量減少性ショックを起こす。
基礎疾患として、敗血症、急性膵炎、多発外傷、薬剤、幹細胞移植後、悪性腫瘍、
血球貪食症候群、systemic mastocytosis、CO中毒、出産など様々である。
基礎疾患が明らかでない場合は、ICLS(Idiopathic systemic capillary
leak syndrome)と呼ぶが、別名Clarkson’s diseaseもいう。

The Systemic Capillary Leak Syndrome: A Case Series of 28 Patients From a European Registry
Arch Inter Med. April 4, 2011 vol. 154 no. 7 464-471


背景:
 SCLSはまれな疾患であり、毛細血管の過度の漏出をおこす致死的なものである。 

目的:
 臨床的な性格、検査所見、治療、アウトカムを記載する。

患者および方法:
 ケースシリーズ。1997年1月から2010年7月の間にヨーロッパの他施設に
 紹介されSCLSの診断がついた28人の患者。
 
結果:
 13人の男性、15人の女性。合計252回のattackをカウント。
 発症時年齢中央値は49.1歳(5.4 to 77.7 years)で、1人患者あたりの
 年間attack中央値は1.23回 (0.13 to 21.18)。モノクローナルなIgG上昇が
 25人(89%)にみられた。予防的治療として免疫グロブリン(n = 18)、
 テルブタリン(n = 9)、アミノフィリン(n = 10)がおこなわれた。
 8人(29%)が死亡し、1年生存率は89%、5年生存率は73%であった。
 SCLS attacksによる直接的死亡は6人であった。
 予防的治療を受けた23人の5年生存率は85%であったが、受けていない5人の 
 5年生存率は20%であった。

結論:
 28人のSCLS患者における臨床的経験から、予防的なβ2刺激薬あるいは
 静注免疫グロブリンはSCLS attackの頻度と重症度を減らし、生存率を改善
 するかもしれない。
 

by otowelt | 2011-04-07 13:51 | 内科一般

<< NSCLCのN1切除症例で、L... COPと二次性OPには臨床的・... >>