M. pneumoniae感染の4人に1人がマクロライド耐性ジェノタイプを有する

マクロライド耐性M. pneumoniaeに関しては
日本やフランスから5~10%程度であると過去に報告されている。
・Emergence of macrolide-resistant Mycoplasma pneumoniae with a 23S rRNA gene mutation. Antimicrob Agents Chemother 2005; 49:2302.
・Increased macrolide resistance of Mycoplasma pneumoniae in France directly detected in clinical specimens by real-time PCR and melting curve analysis. J Antimicrob Chemother 2009; 64:52.
・Detection of macrolide resistance in Mycoplasma pneumoniae by real-time PCR and high-resolution melt analysis. Antimicrob Agents Chemother 2008; 52:3542.


中国に至っては、67人中46人(69%)がマクロライド耐性と報告されて
いる。このCIDの論文もrRNAの遺伝子変異を検出した論文である。
High prevalence of macrolide resistance in Mycoplasma pneumoniae isolates from adult and adolescent patients with respiratory tract infection in China. Clin Infect Dis 2010; 51:189.

今回のJACの論文は、イタリアからのもので、粗耐性率は26%である。
以下その論文のabstract。

Emergence of macrolide-resistant strains during an outbreak of Mycoplasma pneumoniae infections in children
J. Antimicrob. Chemother. (2011) 66 (4): 734-737


目的:
 Mycoplasma pneumoniae はヒトの下気道感染症(LRTIs)において
 よくみられる病原体であり、治療選択肢としてマクロライドがある。
 このスタディの目的は、イタリアにおいてM. pneumoniaeの耐性頻度
 を調べることである。

患者および方法:
 2010年のイタリアにおけるM. pneumoniaeのアウトブレイクで
 48の臨床的検体が43人の小児患者から採取され、これを解析した。
 耐性に関連する遺伝子変異(A2063G and A2064G)と、M. pneumoniae
 のサブタイプは、23S rRNA遺伝子のV領域をターゲットにしたシークエンスと
 MPN528a遺伝子のシークエンスによってそれぞれ同定した。

結果:
 43人のM. pneumoniae陽性の小児において、
 マクロライド耐性ジェノタイプは11人(26%)に同定された。
 A2063G変異は7人、A2064G変異は4人であった。
 3人の患者は、入院時に感受性であったのにA2063G変異を獲得した。
 M. pneumoniaeサブタイプ1は40のシークエンス株のうち33に、
 サブタイム2は残りの7に認められた。マクロライド耐性か感受性かという
 点に関しては、このサブタイプと相関はなかった。

結論:
 これは、イタリアにおけるM. pneumoniaeのマクロライド耐性の最初の
 報告である。この知見は、小児において説明できない高頻度のマクロライド耐性
 マイコプラズマ肺炎が存在することを示唆し、治療に反応しない場合に
 想定しなければならない事柄である。イタリアだけでなく全ヨーロッパにおいて
 疫学的なマクロライド耐性モニタリングが必要であろう。

by otowelt | 2011-04-12 11:39 | 感染症全般

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