chronic expanding hematoma

カンファレンスで見たので、勉強せねばならないと思った。

●Chronic expanding hematomaとは
Chronic expanding hematoma は、1980年にJAMAに
初めて報告された病態であり、初回の出血から1ヶ月以上経過して
徐々に増大する血腫である。確定的な基準はないものの、
悪性所見がないことと、出血傾向がないことが絶対条件である。
Chronic expanding hematoma : A clinicopathologic entity. JAMA 1980; 244: 2441-2442
全身のいたるところに発生するが、日本では胸腔内の報告が多い。
既往歴に、結核性胸膜炎に対する手術(胸郭形成術)や人工気胸術後
がみられることが多いが、肺癌などの胸部手術例や外傷歴も報告されている。
Chronic expanding hematomaに対する5手術例の検討.胸部外科2000;53:768-73.
血腫が増大する原因として、いくつか提唱されている。
たとえば、血塊内の血球などの破壊産物が炎症によって
線維芽増生を生じたり、血塊周囲に被膜や新生血管ができ、
これが血腫となるという過程、さらには血塊から析出される
プラスミノーゲン活性化因子によって、血腫内部が空洞化され、
この空洞内に炎症により透過性の増した新生血管から血液が漏出
するため、血腫が徐々に増大するといったプロセスなどなど。
Physiopathogenesis of subdural hematomas. J Neurosurg 1976;45:382.

●Chronic expanding hematomaの症状
呼吸困難や咳などがみられることが多いが、肋骨を破壊して
皮膚ろうを作ったりすることもある。
Fibrothorax and decortication of the lung. General Thoracic Surgery2005;1:851-9.

●Chronic expanding hematomaの画像所見
CTにおいて被膜がみられ、血腫辺縁はなだらかで、内部に不均一な
腫瘤性病変
であることが一般的である。一部に石灰化を伴うことがある。
造影後は辺縁部に濃染がみられる。MRIではT1、T2像ともに
新旧の出血を反映した信号がモザイク状に観察
される。
T2像で、高信号域が辺縁より乳頭状に突出するような所見もみられる。
MR features of a case of chronic expanding hematoma. J Clin Imaging 2000; 24: 44-46

●Chronic expanding hematomaの治療
胸腔ドレナージによる保存治療では効果が不十分で、根治的には
外科的治療が必須である。ただ、病態からわかるように、
術中に大量出血をきたすことが多い。
被膜を残して血腫のみを除去した症例では再発が報告されており,
被膜を含めて完全摘出する方がよいともされている。
感染を併発していなければ、剥皮術・胸膜肺切除術など慢性膿胸に
準じた術式が選ばれることもある。
Chronic expanding hematomaに対する5手術例の検討.胸部外科2000;53:768-73.

by otowelt | 2011-04-14 05:32 | レクチャー

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