成人ICUにおける感染伝播予防介入と医療スタッフの予防策への課題

ICUにおける接触感染に関するスタディ。

Intervention to Reduce Transmission of Resistant Bacteria in Intensive Care
N Engl J Med 2011; 364:1407-1418


背景:
 ICUは、MRSAとVREの伝播のリスクが高い院内環境である。

方法:
 クラスターランダム化試験において、MRSAおよびVREの
 保菌監視と無菌遮断予防介入の拡大的実施によって、ICUにおける
 MRSAまたはVREの保菌/感染率に影響を与えるかどうかを、
 従来の方法と比較。このスタディに参加した全ICU患者に監視培養をし、
 結果は介入群ICUにのみ伝達するようにした。介入ICUでは、
 MRSAまたはVREの保菌/感染患者を接触感染予防策ケアに割り付け、
 それ以外のICUは全例、退室までまたは入院時の監視培養が陰性とわかる
 まで、手袋の着用徹底によるケアを義務付けた。

結果:
 6ヵ月介入期間中、10ヵ所の介入ICUに5434人の成人が入室。
 8ヵ所のコントロール群ICUに3705人の成人が入室。
 介入ICUでは、コントロールICUと比べ、MRSAまたはVRE保菌/感染
 患者が無菌遮断予防策に割り付けられる頻度が多かった。
 ※介入ICUではICU滞在日数のうち、92%が接触感染予防策
  または手袋着用徹底に割り当てられ、コントロールICUICUでは
  ICU滞在日数のうち38%が接触感染予防策に割り当てられた。
  (いずれも中央値の%:P<0.001)
 介入ICUにおいて、医療スタッフが無菌遮断予防策に割り付けられた
 患者と接触するときに、清潔手袋、ガウン、手指衛生をおこなった頻度が
 要求された頻度よりも少なかった。
 ICUの1000患者・日あたりのMRSAまたはVREの保菌/感染の平均
 (±SE)発生率は、補正後に介入ICUとコントロールICUで
 有意差はなかった(40.4±3.3、35.6±3.7、P=0.35)。

結論
 成人ICUにおける介入はMRSAやVRE伝播減少に有効ではなかったが
 医療スタッフによる無菌遮断予防策実施は要求された頻度より少ない。

by otowelt | 2011-04-15 06:24 | 集中治療

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