野生アルマジロとHansen病患者における共通のMycobacterium leprae株3I-2-v1

e0156318_9594179.jpgleprosyはHansen病のことであるが、
便宜的に訳ではHansen病と訳す。
Hansen病が人畜共通感染症である
可能性を示したインパクトのある論文
である。leprosyという言葉は、
宗教医学的な意味合いのある用語らしい。

Probable Zoonotic Leprosy in the Southern United States
N Engl J Med 2011;364:1626-33.


背景:
 アメリカ南部のルイジアナ州やテキサス州などで、アメリカ外曝露がない
 のにもかかわらずアメリカ人でのleprosy:Hansen病の土着症例が発生
 している。この地域とメキシコでは、野生アルマジロが
 Mycobacterium lepraeに感染している。

方法:
 野生のアルマジロ1 匹、アメリカ人Hansen病患者3人から検出した
 Mycobacterium lepraeの全ゲノム再配列決定により、
 感染菌株は本質的に同一であることが明わかった。これらの菌株と
 アジアおよびブラジルのMycobacterium leprae株の
 比較ゲノム解析によって、SNP51個と11bpの挿入欠失を同定。
 アメリカ南部の5 つの州の野生アルマジロ33匹、ルイジアナ州の
 診療所を受診したアメリカ人外来患者50人、ベネズエラ人患者64人から
 検出したMycobacterium leprae株と、アメリカ以外の
 参照比較株4株で、これらのSNP部位とリピート数の異なる10の
 タンデムリピートで遺伝子型を決定。

結果:
 アメリカ外での曝露歴がある患者のMycobacterium leprae遺伝子型は、
 おおむね出身国や渡航歴を反映していたものの、野生アルマジロ
 33匹中28匹と、アルマジロが媒介するMycobacterium leprae
 曝露されている可能性のある地域に居住しているアメリカ患者39人中
 25人においては、特異なMycobacterium leprae遺伝子型
 (3I-2-v1)が検出された。この遺伝子型は世界の他の地域では
 発見されていない。
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結論:
 アメリカ南部の野生アルマジロと多くのHansen病患者が
 同一のMycobacterium leprae株に感染していた。
 アルマジロは自然界におけるMycobacterium lepraeの主たる
 保菌宿主であり、Hansen病はこの地域の人獣共通感染症の可能性がある。

by otowelt | 2011-04-29 10:02 | 感染症全般

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