急性呼吸不全の人工呼吸管理患者では、早期10ml/hr経腸栄養は25ml/hrと同等の効果で消化器系忍容性が高い

呼吸不全のICU患者における栄養療法の論文。

Randomized trial of initial trophic versus full-energy enteral nutrition in mechanically ventilated patients with acute respiratory failure.
Crit Care Med 2011; 39:967–974


目的:
 経腸栄養は、経口摂取のできない人工呼吸器患者に用いられるが
 必要供給量についてはいまだによくわかっていない。
 われわれは、急性呼吸不全患者において
 早期低量の経栄養が消化器忍容性・合併症を減らし、
 早期高量の経腸栄養に比べてアウトカムを改善するであろうとの
 仮説のもとオープンラベルランダム化試験を実施した。

デザイン:
 オープンラベルランダム化試験

患者および方法:
 合計200人の急性呼吸不全で人工呼吸管理を最低でも72時間受けている
 患者を登録。患者は、人工呼吸器開始から6日の間
 早期に10 mL/hrで経腸栄養を受ける群と、
 最初から高量25ml/hrで栄養を受ける群に分けられた。

結果:
 プライマリアウトカムは、28日人工呼吸器非使用期間とした。
 ベースラインは98人の早期低量群、102人の高量群で
 差はみられなかった。割付時、平均APACHEIIスコアは26.9、
 平均PaO2/FIO2比は182であった。38%がショックの状態であった。
 両群とも経腸栄養期間は同等で(5.5 vs. 5.1 days; p=.51)、
 低量開始群は平均15.8%±11%が6日目に目標カロリーに到達、
 また、高量群においては74.8%±38.5%が到達(p < .001)。
 両群で人工呼吸器非使用日数中央値は23日(p=.90)、
 ICU非入室日数は21.0日(p=.64)。
 死亡退院は、低量群22.4%、高量群19.6%であった(p=.62)。
 初期6日間において、低量群は、下痢が少なく(19% vs. 24%
 of feeding days; p=.08)、また有意に胃内残存量は
 少なかった(2% vs. 8% of feeding days; p < .001)。
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結論:
 早期に低量で開始する栄養療法は、急性呼吸不全での
 人工呼吸器使用患者において、初期から高量で栄養を開始する場合
 と同等の効果があると考えられるが、消化器系の忍容性は
 低量の方がよい。

by otowelt | 2011-05-03 09:59 | 集中治療

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