転移性膵癌患者においてFOLFIRINOXはGem単剤よりOS・PFSを有意に延長

OSの改善がみられた癌の重要な試験は、
内科医としては知っておかねばならない。

FOLFIRINOX versus Gemcitabine for Metastatic Pancreatic Cancer
N Engl J Med 2011; 364:1817-1825


背景:
 転移性膵癌に対するファーストラインで
 オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン
 を併用したFOLFIRINOXレジメンの有効性と安全性を
 ゲムシタビンと比較したデータは現時点ではない。

方法:
 転移性膵癌と診断されたECOG-PSが0 or 1の342人に
 FOLFIRINOX群(2週間ごとに、オキサリプラチン85mg/m2+
 イリノテカン180mg/m2+ロイコボリン400 mg/m2を点滴、
 フルオロウラシルを400mg/m2をボーラス後2400mg/m2を
 46時間持続点滴)と、ゲムシタビン群(1000 mg/m2 週1回を
 8週間中7週間投与、その後4週間中3週間投与)のいずれかに
 ランダムに割り付けた。両群とも、反応がみられた患者に
 6ヵ月間の化学療法を推奨することとした。
 プライマリエンドポイントはOS。

結果:
 OS中央値は、FOLFIRINOX群で11.1ヵ月であったが、
 ゲムシタビン群では6.8ヵ月だった(HR0.57、95%CI 0.45~0.73、
 P<0.001)。PFS中央値は、FOLFIRINOX群で6.4 ヵ月、
 ゲムシタビン群で3.3ヵ月(HR0.47、95% CI 0.37~0.59、
 P<0.001)。ORRは、FOLFIRINOX群で31.6%、
 ゲムシタビン群では9.4%(P<0.001)。有害事象は
 FOLFIRINOX群のほうが多く、5.4%でFNがみられた。
 6ヵ月の時点におけるQOL低下は、FOLFIRINOX 群で
 31%にみられたが、ゲムシタビン群では66%にみられた
 (HR0.47、95% CI 0.30~0.70、P<0.001)。
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結論:
 FOLFIRINOXは、ゲムシタビンと比較して生存利益があるものの
 毒性はより強かった。PSのよい状態良好な転移性膵癌患者において
 FOLFIRINOXは、治療選択肢の一つになるうる。

by otowelt | 2011-05-14 21:00 | 肺癌・その他腫瘍

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