進行胸腺腫・胸腺癌におけるカルボプラチン+パクリタキセルは、効果が乏しい

呼吸器内科医としては、シスプラチン+エトポシドが
使い慣れたレジメンである胸腺癌であるが…。
なにせ症例が少ないため、知識の積み重ねは机上となってしまう。
サンドスタチンによる治療が少し話題を呼んだのは記憶に新しい。

Masaoka分類をメモしておく。
Stage I :
 intact thymic capsule 5年生存率94-100%
Stage II :
 capsular invasion into adjacent mediastinal fat or pleura 5年生存率86-95%
Stage III :
 mascroscopic invasion into adjacent organs, vessels 5年生存率56-60%
Stage IV :5年生存率11-50%
 IV a : dissemination in thoracic cavity (ex: pleural or pericardial implants)
 IV b : distant metastases



JCOから進行胸腺腫および胸腺癌の化学療法のphase II試験の報告。

Phase II Study of Carboplatin and Paclitaxel in Advanced Thymoma and Thymic Carcinoma
JCO May 20, 2011 vol. 29 no. 15 2060-2065


目的:
 このスタディの目的は、カルボプラチン+パクリタキセルを
 進行期の既治療胸腺腫および胸腺癌患者に対するインパクトを
 評価するものである。

患者および方法:
 われわれは、プロスペクティブ多施設共同試験を切除不能胸腺腫(n=21)
 あるいは胸腺癌(n=23)において実施した。患者はカルボプラチン(AUC6)
 とパクリタキセル(225 mg/m2)を3週ごとに最大6サイクル施行する
 レジメンを受けた。プライマリエンドポイントは客観的奏効率(ORR)。

結果:
 2001年2月から2008年1月まで、合計46人の患者が登録された。
 13人の患者がGrade4かそれ以上の毒性を呈した(ほとんど好中球減少)。
 胸腺腫においてRECIST判定(version 1.0)において、CRが3人、PRが6人。
 すなわち、ORRは42.9%; 90% CI, 24.5% to 62.8%。
 胸腺癌ではCRはおらず、PRは5人でORR, 21.7%; 90% CI, 9.0%to 40.4%。
 PFSは胸腺腫で16.7ヶ月(95% CI, 7.2 to 19.8)、胸腺癌で5.0ヶ月
  (95% CI, 3.0 to 8.3)であった。期間中
 胸腺腫の7人の患者(33.3%)、胸腺癌の16人の患者(69.6%)が死亡した。
 生存期間中央値は胸腺癌で20.0ヶ月(95% CI, 5.0 to 43.6months)で
 あったが、胸腺腫は解析に達しなかった。
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結論:
 カルボプラチン+パクリタキセルは、胸腺悪性腫瘍において
 臨床的にやや活性がみられるものの、アントラサイクリン系薬剤による治療
 で予測していたよりも効果は乏しかった。胸腺癌患者は胸腺腫と比較して
 PFSおよびOSの予後は不良である。

by otowelt | 2011-05-23 16:06 | 肺癌・その他腫瘍

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