HIV合併NSCLC患者のCD4レベルは予後予測因子である
2011年 05月 30日
JTOから、HIV感染と肺癌の関連についての論文。
Human Immunodeficiency Virus Infection and Non-small Cell Lung Cancer: Survival and Toxicity of Antineoplastic Chemotherapy in a Cohort Study
Journal of Thoracic Oncology. 6(6):1022-1029, June 2011.
目的:
HIVに感染した非小細胞肺癌(NSCLC)患者の生存に関する因子を
記載し、化学療法と抗ウイルス治療によって起こる毒性を解析する。
デザイン:
HIVに感染したNSCLC患者をレトロスペクティブ解析
少なくとも1サイクルの化学療法を施行した患者において毒性を解析。
方法:
生存はCoxモデルを用いて解析した。毒性サブスタディにおいて、
抗ウイルス薬と化学療法の併用のエピソードのあるgrade4血液毒性に
関する因子は、ロジスティック回帰モデルを用いて解析された。
結果:
52人の患者が登録された。42人が男性で年齢中央値は48歳であった。
98%が喫煙者で、中央喫煙歴は30pack yearsであった。
CD4中央値は300 cells/μlであり、生存期間の中央値は12ヵ月であった。
NSCLC診断時CD4が≥200 cells/μlの場合HR = 0.29, 95%CI0.10–0.89、
PSが2以下でHR = 0.32, 95% CI 0.15–0.68、HAARTを受けた場合
HR = 0.26, 95% CI 0.09–0.74で、生存への寄与がみられた。
40人は毒性解析が可能で、68の異なる抗癌剤併用に対して14のエピソードが
grade4の血液毒性を合併した。プロテアーゼ阻害剤の使用は
有意にgrade4血液毒性と関連していたOR = 5.22, 95% CI 1.07–25.38。
結論:
HIVに感染したNSCLC患者において、NSCLC診断時CD4レベルは
生存の予後予測因子である。HAARTを用いることは妥当であるが、
プロテアーゼ阻害剤を使用する場合には血液毒性に注意が必要である。
Human Immunodeficiency Virus Infection and Non-small Cell Lung Cancer: Survival and Toxicity of Antineoplastic Chemotherapy in a Cohort Study
Journal of Thoracic Oncology. 6(6):1022-1029, June 2011.
目的:
HIVに感染した非小細胞肺癌(NSCLC)患者の生存に関する因子を
記載し、化学療法と抗ウイルス治療によって起こる毒性を解析する。
デザイン:
HIVに感染したNSCLC患者をレトロスペクティブ解析
少なくとも1サイクルの化学療法を施行した患者において毒性を解析。
方法:
生存はCoxモデルを用いて解析した。毒性サブスタディにおいて、
抗ウイルス薬と化学療法の併用のエピソードのあるgrade4血液毒性に
関する因子は、ロジスティック回帰モデルを用いて解析された。
結果:
52人の患者が登録された。42人が男性で年齢中央値は48歳であった。
98%が喫煙者で、中央喫煙歴は30pack yearsであった。
CD4中央値は300 cells/μlであり、生存期間の中央値は12ヵ月であった。
NSCLC診断時CD4が≥200 cells/μlの場合HR = 0.29, 95%CI0.10–0.89、
PSが2以下でHR = 0.32, 95% CI 0.15–0.68、HAARTを受けた場合
HR = 0.26, 95% CI 0.09–0.74で、生存への寄与がみられた。
40人は毒性解析が可能で、68の異なる抗癌剤併用に対して14のエピソードが
grade4の血液毒性を合併した。プロテアーゼ阻害剤の使用は
有意にgrade4血液毒性と関連していたOR = 5.22, 95% CI 1.07–25.38。
結論:
HIVに感染したNSCLC患者において、NSCLC診断時CD4レベルは
生存の予後予測因子である。HAARTを用いることは妥当であるが、
プロテアーゼ阻害剤を使用する場合には血液毒性に注意が必要である。
by otowelt
| 2011-05-30 13:36
| 肺癌・その他腫瘍