悪性胸水におけるrapid pleurodesisの有用性

今月のCHESTは出版がいつもより遅かった。
"rapid pleurodesis"というのは、早期におこなうという意味ではなく
"迅速な"という意味合いである。

Rapid Pleurodesis for Malignant Pleural Effusions.A Pilot Study
CHEST 2011; 139(6):1419–1423


背景:
 悪性胸水貯留(MPEs)は、アメリカにおいて15万人もの人々に影響を与えている。
 現在の緩和的オプションとして、胸膜癒着術や胸腔ドレナージがある。
 このスタディは、症状のあるMPE患者において内科的胸腔鏡下にタルクによる
 胸膜癒着を行いトンネル下胸腔カテーテル(TPC)の同時留置をおこなう
 胸膜癒着プロトコールをおこなうことの安全性、効果、
 実現可能性を調べたものである。
 
方法:
 再発性の症状のあるMPE患者において、内科的胸腔鏡によりTPC留置とタルク
 散布をおこなった。TPCは、排液が150ml/日未満になるまでドレナージされ、
 基本的にその後は抜去された。患者は6ヵ月フォローアップされた。
 ※TPC:PleurX; CareFusion; McGaw Park,Illinois
  タルク:5g

結果:
 2005年10月から2009年9月まで30人の患者がこの処置を受けた。
 処置終了後の入院日数中央値は1.79日であった。全ての患者は
 呼吸困難とQOLの改善がみられた。胸膜癒着術は92%の患者で成功し、
 TPCは中央値で7.54日で抜去された。合併症は2人に発熱がみられたこと、
 1人でTPC再留置が必要であったこと、1人に膿胸がみられたことであった。

結論:
 内科的胸腔鏡を用いておこなうタルク散布とTPC留置による
 早期の胸膜癒着プロトコールは実現可能である。
 入院日数およびTPC留置期間は、従来よりも
 有意に減らすことができるだろう。
 ランダム化試験でこの結果が明らかになるだろう。

by otowelt | 2011-06-08 05:29 | 肺癌・その他腫瘍

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