間質性肺疾患に続発した気胸には自己血パッチ胸膜癒着が有効

自己血パッチによる胸膜癒着は
1987年にRobinsonによって最初に報告された。
Autologous blood for pleurodesis in recurrent and chronic spontaneous pneumothorax. Can J Surg 30: 428-429,1987.

間質性肺炎に気胸を合併した場合には
よく自己血パッチを使用することがある。
化学的な胸膜癒着より自己血パッチを使用する傾向にあるのは
前者では間質性肺炎の急性増悪のリスクがあるからとされている。
・Serious complications with talc slurry pleurodesis. Respirology 6: 181-185, 2001.
・Percutaneous computed tomography-guided radiofrequency ablation of lung tumors complicated with idiopathic interstitial pneumonia.Ann Thorac Surg 87: 948-950, 2009.


以下、京都大学からの論文。

Efficacy of Blood-Patch Pleurodesis for Secondary Spontaneous Pneumothorax in Interstitial Lung Disease
Intern Med 50: 1157-1162, 2011


目的:
 われわれは、間質性肺疾患(ILD)の患者の気胸の予後関連性と
 自己血パッチ胸膜癒着の効果と安全性を調べた。

方法:
 12年をレトロスペクティブにみて
 34のILD患者に起こった59の気胸をレビューした。
 
結果:
 自己血パッチのあと、エアリークは22気胸中16(72.7%)で消失し、
 化学的胸膜癒着術をおこなったあと、エアリークは
 14気胸中11(78.6%)で消失した。
 治癒率も再発率も、化学的胸膜癒着と比べて自己血パッチで
 同程度であった(p=0.99 and 0.99, respectively)。
 加えて、自己血パッチにおいては有害事象はみられなかった。
 生存期間中央値は、最初に気胸が起こってからIIP患者では9ヶ月未満で、
 他のタイプのILD患者では3年程度であった。
 Kaplan-Meier生存カーブでは、縦隔壁気腫合併例において
 有意に低かった(p<0.05)。多変量Cox回帰分析において
 気胸を起こした数、IIPの診断、縦隔気腫は死亡の独立予測因子であった。

結論:
 ILDに続発した気胸に対して自己血パッチによる胸膜癒着は安全であり
 初期に行う価値があると考えられる。しかしながら、治療にもかかわらず
 気胸発症後の予後はILD患者では不良である。
 加えて、縦隔気腫は予後不良因子である。

by otowelt | 2011-06-14 06:40 | びまん性肺疾患

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