ER受診後に入院せずに帰ると、待ち時間が長い患者ほど有害事象イベントリスクが高い

Association between waiting times and short term mortality and hospital admission after departure from emergency department: population based cohort study from Ontario,Canada
BMJ 2011;342:d2983


背景:
 待ち時間が長い時間帯にERを受診し、長い待ち時間のあとに
 結局入院せずに帰宅した患者における有害イベントの発生リスクについて検討。

方法:
 住民ベースのレトロスペクティブコホート試験。
 2003年4月~2008年3月までに、カナダのオンタリオ州の
 ベッド数が多い病院でのERを受診後に、結局入院せずに
 帰宅した患者を対象とした。
 すなわち、
 1.医師の診察を受けた後に帰宅した場合
 2.医師と会わずに診断、治療を受けずに帰宅した場合 
 を含める。プライマリエンドポイントはメイン背景因子
 (患者、受診時間帯、施設)で調整後の有害事象リスク
 (7日以内の入院あるいは死亡)とした。

結果:
 5年間で13934542人がERで医師の診察を受けたのち入院せずに帰宅、
 617011人が医師と会わずに帰宅。
 7日以内に有害事象イベントが発生するリスクは、ER平均待ち時間が
 長くなるにつれて上昇。待ち時間が6時間以上の1時間未満に対する
 調整ORは、重症例では死亡が1.79(95%CI1.24~2.59)、
 入院が1.95(95%CI:1.79~2.13)であり、軽症例では死亡が1.71
 (95%CI1.25~2.35)、入院が1.66(95%CI1.56~1.76)。
 医師による診察については、入院せずに帰宅した患者における
 有害事象イベントの発生リスクには寄与しなかった。
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結論:
 ERを受診後に入院せずに帰宅した患者では、待ち時間が長いほど
 将来的な短期的な有害事象イベントの発生リスクが上昇する。

by otowelt | 2011-06-17 12:06 | 救急

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