市中肺炎にデキサメタゾン5mg×4日間を加えることで、入院期間短縮・QOL向上

感染症がお好きな医師には、”もうそれ読んだ”というくらい
有名な論文だが、ちょっと時間があいてしまったものの
ステロイドと肺炎の大事なスタディなのでしっかり読んだ。

電解質バランス異常が少ないためにデキサメタゾンを使用したのだろうか?

Dexamethasone and length of hospital stay in patients with community-acquired pneumonia: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
The Lancet, Volume 377, Issue 9782, Pages 2023 - 2030, 11 June 2011


背景:
 集中治療室に入らないような市中肺炎にステロイドを用いることの
 利益についてはいまだよくわかっていない。

方法:
 オランダの2教育病院のERで、市中肺炎の確定例と診断された
 18歳以上の患者を登録した。それらをランダムにデキサメタゾン5mg
 またはプラセボに割り付け、入院から12時間以内とその後3日間1日1回の
 合計4回静脈内点滴投与した。抗菌薬の投与は、割り付け薬投与より前に
 投与された。
 ※除外基準:免疫不全状態、ICU入院、ステロイド投与中、免疫抑制剤投与中

 プライマリエンドポイントは、入院から退院または死亡までの入院日数とした。
 登録した患者全員を分析対象にした(ITT)。
 入院が午前0時から正午までだった患者は入院した日も1日と数え、
 正午以降だった患者は0.5日と計算した。
 セカンダリエンドポイントは全死亡、ICU入院など。

結果:
 2007年11月から2010年9月までに合計304人の患者を登録。
 151人(平均年齢64.5歳)がデキサメタゾン群、
 153人(62.8歳)がプラセボ群となった。全体の47%(143人)は
 PSI4~5に分類された。両群に用いられた抗菌薬レジメンに差はなかった。
 スタディドラッグ4日間の投与を完了したのは、
 デキサメタゾン群87%、プラセボ群88%。
 入院期間の中央値は、デキサメタゾン群6.5日(IQR5.0~9.0日)、
 プラセボ群が7.5日(IQR5.0~11.5日)(P=0.0480)であった。
 患者特性で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いてプラセボと
 比較したデキサメタゾンの退院のHRは1.46(1.13-1.89)で、
 デキサメタゾンの方が早期に退院する可能性が有意に高かった。
 院内死亡、ICU入院、入院後30日の呼吸機能検査にも差はなかった。
 QOLに関しては(RAND-36)、入院30日目にデキサメタゾン群の
 社会的機能改善の寄与が大きかった(P=0.0091)。

 有害事象としては、デキサメタゾン群における高血糖がみられたが、
 血糖降下薬を要するほどのものではなかった(P=0.57)。


結論:
 免疫機能が正常な市中肺炎の患者にデキサメタゾンを投与することで
 入院期間が短縮し、30日後のQOLも良好となる。

by otowelt | 2011-06-20 04:59 | 感染症全般

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