IPF急性増悪の少数例にウイルス感染が関与する可能性

TTウイルスとは懐かしい…。

Viral Infection in Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 1698–1702, 2011


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、進行性の一様な致死的肺疾患である。
 IPF急性増悪は、特定の疫学的原因の同定がなく急性呼吸不全を
 きたすエピソードである。
 偶発的なウイルス感染が、この原因になっている可能性が示唆される。
 
目的:
 unbiased genomics-based discovery methodsを用いて
 IPF急性増悪にウイルスが関与するかどうかを調べる。

方法:
 IPF急性増悪をきたした患者、安定した病態の患者、
 ALIに至った患者において、BALおよび血清を採取し
 ウイルス核酸PCR、汎ウイルスマイクロアッセイ等で
 ウイルス学的検索をおこなった。

結果:
 45人のIPF急性増悪をきたした患者のうち4人に
 一般的な気道ウイルス感染の同定がなされた
 (parainfluenza [n=1], rhinovirus[n=2], coronavirus [n=1])。
 安定した患者においてはBALでは何も検出されなかった。
 汎ウイルスマイクロアッセイでは、IPF急性増悪患者において
 さらにウイルス感染の根拠を明らかにした
 (herpes simplex virus[n=1], Epstein-Barr virus [n=2],
 torque teno virus [TTV] [n=12])。
 TTV感染症は急性増悪患者において有意に多くみられた(P=0.0003)が、
 ALIコントロール群とは同等であった。
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結論:
 IPF急性増悪において多くの場合ウイルス感染は同定されなかった。
 少数例ではあるがTTV感染は比較的有意にみられ、ALI患者でも
 この傾向があった。

by otowelt | 2011-06-23 05:54 | びまん性肺疾患

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