吸入ステロイドは、COPD患者の市中肺炎アウトカムには影響しない

少し疑問だったのは、日本のCOPD患者さんで
こんなにICSを使用している方がいるのかなぁということ。

Impact of inhaled corticosteroid use on outcome in COPD patients admitted with pneumonia
Eur Respir J 2011; 38: 36–41


目的:
 このスタディの目的は、吸入ステロイド(ICS)の使用がCOPD患者において
 市中肺炎(CAP)の入院を増やすかどうかを調べたものである。

方法:
 このスタディはイギリスにおけるプロスペクティブ観察研究である。
 COPD患者がCAPと診断されたものを登録し、
 アウトカムはICS使用と非使用群に分けて解析された。

結果:
 490人が登録し、76.7%がICS使用者であった。
 ICS使用者はGOLD分類では非ICSよりも重度であり
 (mean±SD 3.2±0.8 versus 2.6±0.9; p,0.0001)、
 肺炎重症度には差はみられなかった。
 mean±SD PSI 4.2±0.8 versus 4.3±0.8 (p=0.3)
 mean±SD CURB-65スコアは2.1±1.3 versus 2.3±1.3 (p=0.07)
 median C-reactive protein 148 (IQR 58–268) mg/L^-1
  versus 183 (IQR 85–302) mg/L^-1; (p=0.08)
 多変量解析において、COPD重症度やPSIで調整後
 ICS使用者は30日死亡率の独立危険因子ではなかった
 (OR 1.71, 95%CI 0.75–3.90; p=0.2)、
 また6ヵ月死亡率(OR 1.62, 95% CI 0.82–3.16; p=0.2)、
 人工呼吸器必要率(OR 0.73, 95% CI 0.33–1.62; p=0.4)、
 複雑性肺炎への発展(OR 0.71, 95% CI 0.25–1.99; p=0.5)も
 統計学的に差はみられなかった。
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結論:
 ICS使用によるCOPD合併患者の肺炎へのアウトカム悪化はないと考えられる。

by otowelt | 2011-07-01 05:23 | 気管支喘息・COPD

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