肺癌化学療法後における間質性肺疾患の急性増悪はUIPパターンに起こりやすい

ILDのタイプでどれが一番急性増悪をきたしやすいかといえば、
呼吸器内科医は全員UIP/Pと答えると思うのだが、
それを検証した静岡がんセンターからの論文。

The Risk of Cytotoxic Chemotherapy-Related Exacerbation of Interstitial Lung Disease with Lung Cancer
Journal of Thoracic Oncology: July 2011 - Volume 6 - Issue 7 - pp 1242-1246


背景:
 どの間質性肺疾患(ILD)の型が、化学療法によるILD急性増悪をきたす
 ハイリスクとなるかはよくわかっていない。
 我々は、ILDのある肺癌患者においてILD急性増悪のリスクについて検証した。

方法:
 cytotoxicな化学療法を受けた109人のILDを有する肺癌患者を
 レトロスペクティブに検証。
 静岡がんセンター:2002年8月から2010年4月まで
 
結果:
 治療前CTにおいて、69人(63%)がUIPパターンと診断され
 40人(37%)がnon-UIPパターンと診断された。
 UIPパターンの患者は、cytotoxic化学療法関連ILD急性増悪を
 non-UIPパターンの患者に比べて高頻度に起こした
 (30 versus 8%, p = 0.005)。
 Grade5の肺毒性は、UIPパターンの9%、non-UIPパターンの3%。
 多変量解析において、70歳未満の年齢、CTにおけるUIPパターンは
 この急性増悪の独立危険因子であった。
 小細胞肺癌において、初回治療からのOSはUIPパターンにおいて
 non-UIPパターンより短い傾向にあった
 (median OS: 9 versus 16 months, p = 0.0475)。
 しかしながら、非小細胞肺癌においては統計学的な差はみられなかった
 (median OS: 12 versus 9 months, p = 0.2529)。

結論:
 肺癌患者における抗癌剤後のILD急性増悪は、non-UIPパターンよりは
 UIPパターンにおいて起こしやすい。そのため、UIPパターンを有する
 肺癌患者への化学療法は細心の注意を払うべきである。
 

by otowelt | 2011-07-06 13:20 | 肺癌・その他腫瘍

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