非小細胞肺癌の癌性髄膜炎に対する髄液中EGFR遺伝子変異測定の意義

癌性髄膜炎のときに髄液中のEGFR遺伝子変異を測定する
ケースがちらほら学会でも報告されているが、
先の内科学会で「細胞診陰性であってもEGFRを提出すべきか」という
議論になったことがあった。測定すべきcell lineが判然としなくても、
提出した方がよいのだろうか?

Detection of Epithelial Growth Factor Receptor Mutations in Cerebrospinal Fluid from Patients with Lung Adenocarcinoma Suspected of Neoplastic Meningitis
Journal of Thoracic Oncology: July 2011 - Volume 6 - Issue 7 - pp 1215-1220


背景:
 癌性髄膜炎は、早期に診断する必要がある神経学的に厳しい合併症の1つである。
 肺癌におけるEGFR-TKI治療の予測マーカーであるEGFR遺伝子変異を
 髄液PCRで同定することは、髄膜炎治療に重要になるかもしれない。
 このスタディでは、癌性髄膜炎が疑われた患者において
 髄液中のEGFR遺伝子変異を同定し、これを原発ないしは転移巣の
 EGFRステータスと比較するためにおこなう。

方法:
 29人の肺腺癌患者で髄膜炎を疑われた患者に腰椎穿刺を施行した。
 髄液中EGFRステータスはダイレクトDNAシークエンスで施行された。
 原発ないし転移巣におけるEGFR変異は20症例で解析された。

結果:
 29人の患者のうち、EGFR変異が髄液中にみられたのが
 13人(45%)であった。髄液中CSF細胞診陰性であった16人のうち
 5人(31%)においてもEGFR変異はみられた。4人の患者において
 EGFR遺伝子変異は髄液陽性であったものの原発・転移巣で陰性であった。 
 逆に、EGFR遺伝子変異が原発・転移巣でみられたものの髄液中細胞診が
 陽性であるにもかかわらず髄液中EGFRが陰性だった患者が2人いた。

結論:
 非小細胞肺癌患者において、癌性髄膜炎時にEGFR遺伝子変異が
 髄液中に証明されることが示唆されるが、髄液中の細胞診が陰性であっても
 その可能性はある。

by otowelt | 2011-07-07 05:01 | 肺癌・その他腫瘍

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